インターネットを利用する際に生じ得るトラブル
IOT(Internet of Things インターネット・オブ・スィングス)技術の向上により、世界中の人とつながることができ、自由に自己を発信できるようになるなど、一昔前では考えもしなかったことができるようになりました。
一方で、こうした技術が悪用されたり、言動にブレーキがかからなくなって、以前では考えられなかった形で被害に遭うことも見られるようになりました。
インターネット上の被害
性被害
マッチングアプリで知り合った人から、不同意性交等や児童買春などの性被害を受けるおそれが高まっています。
また、同年代の児童や同性に成りすまして裸などの性的画像を送るように要求することが見られます。、これにより入手した性的な画像を拡散したり、脅迫して性的関係を強要するなどの、更なる被害に繋がるおそれがあります。
また、近年では顔写真などの公開されている画像を使って顔が同じ人のわいせつな格好の画像を作成するといった、ディープフェイク・ポルノの被害も生じています。
情報漏洩
コンピューターウイルスに感染させたり、退職者が情報を持ち出すなど様々な方法で、国・公共団体や企業の保有する個人情報の流出がしばしば生じています。このような情報を使われて詐欺が行われる等の被害が生じています。また、自宅や家族構成などが公開され、住居侵入、窃盗・強盗、性犯罪などの被害に繋がるおそれもあります。
名誉毀損・侮辱
インターネットの発達により、投稿サイトやSNSで、匿名で自由に発言できるようになりました。このため発言のハードルが下がり、真偽を問わず個人の情報が勝手に拡散されたり、人格攻撃などが頻繁に起こることが見受けられます。
インターネット上の犯罪への対応
犯罪に該当するようなトラブルは、警察へ被害届を出して捜査してもらうことが重要です。
公然とわいせつな画像などをさらせば公然わいせつ罪となります(刑法第174条)。
わいせつ行為や性交等をすれば、不同意わいせつ(刑法第176条)や不同意性交等(刑法第177条)の罪に問うことができます。
児童買春、児童ポルノの所持・製造は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」により処罰されます(児童買春:同法第4条、児童ポルノ所持等:同法第7条)。
ネット上で投稿等により名誉毀損や侮辱をした場合、ネット上であっても名誉棄損罪(刑法第230条)や侮辱罪(刑法第231条)に問うことができます。
権限がないのに勝手にパスワードを使ってアクセスするような行為は不正アクセスとして処罰されます(不正アクセス行為の禁止等に関する法律第3条・第11条)。
不正アクセスや退職者が情報を持ち出すこと等により営業秘密を取得して使用するような行為は、不正競争に当たり、不正競争防止法により処罰されます。
発信者情報の開示
インターネット上で名誉毀損や侮辱に当たる投稿をされた場合、その投稿をした者(発信者)を突き止めることができます。「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)では、発信者情報開示の手続きが定められています。発信者情報を開示させることで発信者を特定し、刑事責任や民事責任の追及につなげることができます。
損害賠償請求などの民事責任
以上のようなネットトラブルで被害を被った場合、刑事処罰だけでなく加害者に損害賠償を求めることが重要です(民法第709条)。他にも、違法行為などをされるおそれがあれば差し止め請求をすることが考えられます。
まとめ
このようにネットトラブルは様々なものがありますが、それに対する対抗手段もあります。
ネットトラブルでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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