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犯収法改正で何が変わった?有償口座譲渡・不正送金の厳罰化を弁護士が解説

インターネットが発達し、銀行に行かずとも、インターネット上の操作で銀行の口座の管理や振込みなどもできるようになりました。
一方で、こうした口座が特殊詐欺に使われることも問題となっています。犯罪組織が通帳やキャッシュカードがなくても口座を集めたり、被害金を不正に送金してマネーロンダリングを行うことができてしまいます。
こうした事態を防ぐべく、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)の改正法が令和8年7月10日に施行されました。有償口座譲渡を重く処罰し、送金自体も犯罪とするなどの改正が行われました。
ここでは、犯収法の改正について解説します。
有償口座譲渡
犯収法
第二十八条 他人になりすまして第二条第二項第三十一号に掲げる特定事業者(以下この項及び第三十二条第四項第一号において「資金移動業者」という。)との間における為替取引により送金をし若しくは送金を受け取ること又はこれらを第三者にさせることを目的として、当該為替取引に係る送金の受取用のカード、送金又はその受取に必要な情報その他資金移動業者との間における為替取引による送金又はその受取に必要なものとして政令で定めるもの(以下「為替取引カード等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。
2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。
3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。
口座の譲受については、以前から罰則付きで規制されていました。
第1項は譲り受ける側、第2項は譲り渡す側を処罰します。いずれも前段の「他人になりすまして」よりも後段の「通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、」の場合が多く検挙されてきました。正当な理由もないのに有償で口座の譲渡を行えば、通常は不正な行為であることが明確だからです。
「有償」とは、実際に報酬を支払った場合はもちろん、お金を貸す場合や、報酬を支払う約束をしてまだ支払っていない場合も含まれます。
改正前は、1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又はその併科でした。これが、3年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金又はその併科と大幅に引き上げられました(犯収法第26条第2項・第1項)。
譲受する側も譲渡する側も、業として行えば、さらに重い処罰が科されます(第3項。改正法では5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金又はその併科)。
不正送金の処罰
犯収法
第三十二条 通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、自己又は第三者が管理し、又は管理しようとする財産を移転することを目的として、人に、有償で特定役務利用財産移転行為をするように依頼した者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、当該目的で、有償で特定役務利用財産移転行為をするよう、広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、同様とする。
2 通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、他人の依頼を受けて、当該他人に前項前段の目的があることの情を知って、有償で特定役務利用財産移転行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、特定役務利用財産移転行為を引き受けることを示して、有償での特定役務利用財産移転行為の実施を自己に依頼するよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、同様とする。
3 業として第一項前段又は前項前段の罪に当たる行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4 第一項及び第二項において「特定役務利用財産移転行為」とは、次に掲げる行為をいう。
一 預貯金契約等役務(次のイからホまでに掲げる特定事業者との間における当該イからホまでに定める契約に係る役務及び預貯金取扱事業者又は資金移動業者との間における為替取引による送金又はその受取に係る役務をいう。次号及び第三号において同じ。)を利用して自己以外の者に財産を移転する行為
イ 預貯金取扱事業者 預貯金契約
ロ 高額電子移転可能型前払式支払手段発行者 高額電子移転可能型前払式支払手段利用契約
ハ 電子決済手段等取引業者 電子決済手段等取引契約
ニ 電子決済等取扱業者等 電子決済等利用契約
ホ 暗号資産交換業者 暗号資産交換契約
二 預貯金契約等役務を利用して受け取った財産に相当する財産の全部又は一部を自己以外の者に移転する行為
三 預貯金契約等役務を利用して財産を受け取ることを約して、当該財産に相当する財産の全部又は一部を自己以外の者に移転する行為
通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、自己又は第三者が管理し、又は管理しようとする財産を移転することを目的として、人に、有償で送金(「特定役務利用財産移転行為」犯収法第32条第4項)をするように依頼した者、広告その他これに類似する方法により人を誘引した者は、2年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金を科され、又は併科されます(犯収法第32条第1項)。
そして、通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、他人の依頼を受けて、この他人が自己又は第三者が管理し、又は管理しようとする財産を移転する目的があると知って、有償で送金した者も、2年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金を科され、又は併科されます(犯収法第32条第2項前段)。
このような送金をすることを引受けることを示して、送金を自分に依頼するよう人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、同様の刑を科されます(犯収法第32条第2項後段)。
これにより不正送金や、その勧誘を処罰します。
業としてこれらの行為をすれば、3年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金を科され、又は併科されます(犯収法第32条第3項)。
「正当な理由」とは、飲食会の幹事が代金を参加者から集めてお店に振込むような場合です。
まとめ
このように、特殊詐欺やマネーロンダリングを防ぐため、有償口座譲渡や不正送金を厳格に処罰するようになりました。
他人に依頼されて口座譲渡や送金をしてしまいお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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インターネットを通じた児童ポルノデータのやり取りによる犯罪

インターネットを通じ、児童ポルノ画像・動画のデータがやり取りされることがあります。
児童ポルノデータは広く拡散されてしまうことがあります。
犯罪として刑事処分の対象となり、逮捕されることもあります。
自身や子供が被害に会ったら、早急に弁護士や警察に相談して対応する必要があります。
以下で該当する可能性のある犯罪を述べたいと思います。
16歳未満の者に対する映像送信要求罪
16歳未満の児童に対して児童ポルノを要求する行為だけでも、犯罪となります。
16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為を要求した者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処されます。(刑法第182条3項)
一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。
不同意わいせつ罪
実際に撮影させて送信させたら、16歳未満の者に対しわいせつな行為をした者として、不同意わいせつ罪が成立し、6月以上10年以下の拘禁刑に処されます。(刑法第176条)
児童ポルノ禁止法違反(略称)
「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいいます。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処されます。(児童ポルノ禁止法第7条1項)
児童ポルノを提供した者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処されます。(児童ポルノ禁止法第7条2項)
児童ポルノを提供する目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、日本に輸入し、又は日本から輸出した者も、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処されます。(児童ポルノ禁止法第7条3項)
児童を裸等にして撮影し、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処されます。(児童ポルノ禁止法第7条4項)
児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することになります。(児童ポルノ禁止法第7条6項)
児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し又は公然と陳列する目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、日本に輸入し、又は日本から輸出した者も、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することになります。(児童ポルノ禁止法第7条7項)
児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し又は公然と陳列する目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することになります。(児童ポルノ禁止法第7条8項)
性的姿態等撮影罪
「性的姿態等」とは、次に掲げる姿態等をいいます。
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの)がされている間における人の姿態
正当な理由がないのに、16歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影する行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処されます。(性的姿態等撮影処罰法(略称)第2条)
未遂も罰せられます。(性的姿態等撮影処罰法第2条2項)
インターネット上の性犯罪行為はどのような罪に問われるの?成立する犯罪や刑罰について弁護士が解説します!
インターネットを通じた性犯罪について

インターネット上で多数の性犯罪行為が行われております。
インターネット上の性犯罪は、簡単に行うことができてしまう特徴があります。
今回は、十六歳未満の者に対する面会要求等罪と、リベンジポルノ防止法違反・私事性的画像記録提供等罪について解説します。
十六歳未満の者に対する面会要求等罪
わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、1年以下の拘禁刑又50万円以下の罰金に処されます。
一 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
二 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
三 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限り犯罪が成立します。
上記の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該16歳未満の者と面会をした者は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処されます。
実際に会ってわいせつ行為をしたら、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪等が成立します。
16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為を要求した者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処されます。
一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。
第2号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限ります。
当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限り犯罪が成立します。
実際に送信させたら、不同意わいせつ罪が成立します。
リベンジポルノ防止法違反・私事性的画像記録提供等罪
リベンジポルノ防止法は、正式には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」といいます。
この法律は、私事性的画像記録の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰するとともに、私事性的画像記録に係る情報の流通によって名誉又は私生活の平穏の侵害があった場合における特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律の特例及び当該提供等による被害者に対する支援体制の整備等について定めることにより、個人の名誉及び私生活の平穏の侵害による被害の発生又はその拡大を防止することを目的としております。
この法律において「私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像に係る電磁的記録その他の記録をいいます。
一 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
二 他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
画像は、撮影対象者において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者である第三者が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除きます。
「私事性的画像記録物」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、前記各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像を記録したものをいいます。
第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処されます。
前記の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同様に処されます。
上記の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処されます。
これらの罪は、告訴がなければ公訴を提起することができません。
ネットトラブルで困ったら
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では無料法律相談を行っています。
無料法律相談のご予約は☎050-5830-9572もしくは✉https://nettrouble-bengoshi.com/inquiry/にてご連絡くださいませ。
※お電話でのご相談の受付は平日9時~18時となっております。
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インターネット上に掲載されている実名付きの過去の犯罪事実の削除請求は認められるのか
インターネットに掲載されている実名付きの過去の犯罪事実の削除請求は認められるか

犯罪を行って逮捕されたら、マスコミに実名報道されてしまうことがあります。
インターネットでニュースとして報道され、その記事が個人により更に転載されることがあります。
インターネット上に実名入りで犯罪事実の情報が残ってしまい、多くの人に知られてしまうことになります。
このような情報の削除請求は認められるのでしょうか。
投稿記事削除請求事件・最高裁判所第二小法廷令和2年(受)第1442号・令和4年6月24日判決では、以下のように判断しています。
「個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は、法的保護の対象となるというべきであり、このような人格的価値を侵害された者は、人格権に基づき、加害者に対し、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができるものと解される」
「人格権に基づき、本件各ツイートの削除を求めることができるか否かは、本件事実の性質及び内容、本件各ツイートによって本件事実が伝達される範囲と上告人が被る具体的被害の程度、上告人の社会的地位や影響力、本件各ツイートの目的や意義、本件各ツイートがされた時の社会的状況とその後の変化など、上告人の本件事実を公表されない法的利益と本件各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので、その結果、上告人の本件事実を公表されない法的利益が本件各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に優越する場合には、本件各ツイートの削除を求めることができるものと解するのが相当である。」
過去の犯罪事実は、他人にみだりに知られたくないプライバシーに属する事実です。
有罪判決を受けた人は、その後、一市民として社会に復帰することを期待されており、前科等に関する事実の公表によって、新しく形成している社会生活の平穏を害され、その更生を妨げられることのない利益を有しています。
家族や知人が記事をいつ見るかもしれないと危惧し続けることによって平穏な暮らしを妨げられることになります。
他方で、犯罪事実は、公共の利害に関する事実として、報道する必要があります。
特に犯罪が発生して逮捕された直後は、実名とはいえ報道の価値が高いと評価され、記事の削除請求は難しいです。
しかし、何年も時間が経過したら、実名で報道までされ続ける必要性は低くなってきます。
一つの目安として、刑法による刑の言い渡しの効力が失われる期間があります。
「(刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
第27条 刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
(刑の消滅)
第34条の2 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
2 刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。」
犯罪を行った人が公的な立場にいるかによっても評価は異なってきます。
政治家やそれに準ずる著名人であれば、時間が経過しても実名報道される必要性は低くはありません。
しかし、それ以外の一般人については、年数が経過しても実名報道されなければならない必要性は高くはありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ネットトラブルの無料相談を実施しております。
050-5830-9572までお気軽にお電話してください。
国際的ネットトラブル

インターネットが発達し、世界中の様々な人たちと交流できるようになりました。一方で、対面では考えられなかったトラブルにも巻き込まれるケースが生じてきました。
ここでは、国際的なネットトラブルについて解説します。
オンラインの危険性
オンラインでは直接相手が見えませんし、声すらもないので、相手の年齢、性別、住所、国籍などが本当かもわかりません。
特に、SNSやオンラインゲームでは、親近感を抱いて、警戒が薄くなったところで、個人情報の提供を求められたり、金銭の支払いを求められたり、危険な仕事に誘われることもあります。
また、コンピューターウイルスを仕込まれてデータを破壊されたり、秘密情報を奪われることもあります。
ロマンス詐欺
年齢、性別、社会的地位や収入などを偽り、言葉巧みに相手を信頼させ好意を抱かせ、外国に行って結婚するためにお金が必要だと、どうしても困っていてお金が必要だ、などと偽って支払いをさせます。
詐欺をした者は10年以下の拘禁刑に処されます(刑法第246条第1項)。しかし、被害を受けた財産はほとんど戻ってきません。
オンラインカジノ
カジノが合法の国もありますが、日本では競馬など認可を受けた賭け事以外は、賭博罪に当たります(刑法第185条。50万円以下の罰金)。
無料版は賭博に当たらないとして、CMも出ていました。無料版から初めて、そこから有料版に手を付けると、賭博をしてしまった事になってしまいます。
トクリュウ・闇バイト
オンラインゲームなどで知り合い、儲かる話があるなどと言われて外国に行き、犯罪組織に捉われ、特殊詐欺などに加担させられてしまう事例が見られます。
前述のロマンス詐欺のほか、オレオレ詐欺などの特殊詐欺もさせられます。無理やりやらされたとしても、自分自身が犯罪者となってしまいます。詐欺のほか、窃盗(刑法第235条。10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。)や強盗(刑法第236条第1項。5年以上の有期拘禁刑)に該当する行為に加担させられることもあります。
不正アクセス
DMや他のSNSに繋がってより親密になったところで、言葉巧みにアカウント情報を出させたり、クレジットカードなどの情報を聞き出すこともあります。聞き出すだけでなく、コンピューターウイルスを仕込んだりして、勝手にパスワードなどを盗み出すこともあります。
他人のIDやパスワードを使って勝手にログインするような行為は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)の「不正アクセス」に当たります(同法第2条第4項)。
不正アクセス行為をすると、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処されます(不正アクセス禁止法第3条・第11条)。
不正アクセスをするだけでなく、そのためにパスワードなどを取得したり(同法第4条)や、他人に提供すること(同法第5条)、保管したり(同法第6条)、アクセス管理者になりすましたりアクセス管理者と誤認させてパスワードなどの入力を要求すること(同法第7条)も、禁止されています。これらの違反行為をすれば、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処されます(同法第12条第1号乃至第4号)。
人身取引
前述の詐欺などに加担されるだけでなく、借金をさせられて、監禁され居場所を制限され、著しく低い対価で売春などをさせられることもあります。
監禁(刑法第220条。3月以上7年以下の拘禁刑)、人身売買(刑法第262条の2第1項。3月以上5年以下の拘禁刑)や被略取者等所在国外移送(刑法第262条の3。2年以上の拘禁刑)などに当たります。
まとめ
このように、オンラインでは、国をもまたいだ、様々なトラブルに遭遇する恐れがあります
国際的なネットトラブルに遭いお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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闇バイトについて解説

インターネット上で行われる犯罪
インターネット上で行われる犯罪としては、かつては不正アクセスや名誉棄損などが多く見られました。
しかし、対面でなくとも様々な人とやり取りできる環境が犯罪組織に利用され、一般の人も以前では考えられなかった形で犯罪に加担してしまうおそれも強くなりました。
ここでは、最近問題となっている闇バイトについて解説します。
闇バイト
近年インターネット上で多くの問題を起こしているのが闇バイトです。
X(旧Twitter)などで「#高額報酬」「#ホワイト案件」など安全で高額の報酬を得られるかのように謳い募集してきます。
初めに免許証のコピーを求められたり、住所や家族構成などの個人情報を求められます。逃げようとすると、家族に危害が及ぶなどと脅すためです。
また、テレグラムやシグナルなど秘匿性の高いSNSアプリをスマートフォンにインストールするよう求められます。これは後の警察の捜査が指示役に及ぶことを防ぐためです。
特殊詐欺
「仕事」の内容として、指定した家に行って荷物を受取るだけというものがあります。これは、既に「かけ子」が被害者を騙して、受取りに来た「受け子」に現金が入った封筒やキャッシュカードを渡すように仕向けています。「荷物」を受取りに行くと、この「受け子」として犯罪に加担してしまうことになります。このような場合、詐欺罪(刑法第246条第1項)の共犯(刑法第60条)となり、10年以下の懲役に処されます。
この他、銀行員や警察官などのふりをして訪れ、隙を見てキャッシュカードをすり替える手口もあります。この場合、窃盗罪(刑法第235条)が成立し、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
このように、非対面の状況で相手を騙して行う犯罪は、特殊詐欺と呼ばれています。
トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)
SNSなどで不特定の者を集め、広域で犯罪を行うグループをトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)と呼びます。
上記のような特殊詐欺も含まれますが、近年問題となっているのは、被害者を騙すことすらせず、初めて会うような人たちを現場付近に集め、個人宅に侵入して金品を奪わせる事件です。
このような犯行は住居侵入罪(刑法第130条。3年以下の懲役又は10万円以下の罰金)や窃盗罪(刑法第235条)にあたります。よりおそろしいのは、指示役から家人が居たら暴行してでも金品を奪うよう指示されます。これに従ってしまえば強盗罪(刑法第236条)になり、5年以上の有期懲役に処されます。これにより人が負傷すれば強盗致傷罪が成立して無期又は6年以上の懲役に、人が亡くなってしまえば強盗致死罪が成立して死刑又は無期懲役に処されます。
強盗致死や強盗致傷罪は裁判員裁判対象事件であり(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第2条第1項第1号)、裁判員の参加する法廷で裁かれることになります。少年であっても家庭裁判所での少年審判ではなく、逆送されて20歳以上の人と同様の刑事裁判にかけられる可能性があります(少年法第20条第1項第2項)。18歳以上の少年は特定少年として、より逆送される可能性が高まり(少年法第62条第2項)、起訴されると実名で報道される可能性があります(少年法第68条・第61条)。
インターネット上の犯罪への対応
「#高額報酬」「#ホワイト案件」など謳うだけであったり、具体的な仕事の内容を示していなかったり、時給10万円以上など過剰に高額な条件が示されている仕事は注意が必要です。
仮に申込んでしまっても、警察に保護を求めれば必ず守ってくれます。すぐに警察に相談してください。
参考
警視庁「#BAN 闇バイト」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/drug/yami_arbeit/ban_yamiarbeit.html
本人やご家族が既に闇バイトに加担してしまった場合、警察への出頭や被害者との示談が考えられます。このような場合は、弁護士にご相談ください。
ご自身やご家族が闇バイトに関わってしまいお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
インターネットと闇バイト-闇バイトをした場合に成立する犯罪について解説
インターネットと闇バイトー闇バイトをした場合に成立する犯罪について解説

闇バイトが大きな社会問題となっています。
闇バイトの多くはインターネット上での募集に応じて参加してしまうことが多いです。
ここでは、闇バイトに関わった場合の刑事責任について解説します。
【事例】
Aさんは,インターネットの求人サイトをみていたところ,「荷物を運ぶだけの簡単なお仕事,未経験者歓迎 日給2万円」と書かれた求人を発見したため,求人に応募したところ,Bという会社に履歴書と,運転免許証,預金通帳の写しを送るように言われ,これらの書類を送りました。
面接に通過し,最初の仕事の日ということで呼び出され,行ってみたところ,Cさんと,Dさんがおり,Cさんから仕事の内容の説明として,深夜に金属加工工場に侵入して,くず鉄を持ち出し,会社に運ぶよう言われ,金属加工工場に到着したところ,Dさんが金属加工工場のくず鉄を運び出しました。
そのため,Aさんも同様にくず鉄を運び出し,トラックに詰めていたところ,B社の宿直の人に見つかり,警察を呼ばれ,現行犯逮捕されてしまいました。
以上を前提として,
①どのような犯罪が成立するのか,②犯罪が成立するとして,どのくらいの刑罰が予定されているのか
について解説していきます。
成立する犯罪について
・建造物侵入罪
まず,金属加工工場に立ち入っていることから,建造物侵入罪が成立します。
人の看守する建物に立ち入ることが必要で,今回のAさんは,人が看守している金属加工工場内に侵入していることから,この犯罪が成立します。
・窃盗罪
窃盗罪の成立が考えられます。
窃盗罪が成立するためには,「他人の財物を窃取した」という事情が必要です。
今回の事例の場合,くず鉄をトラックに詰めており,いつでも運び出すことができるような状態にしているため,窃盗罪も成立します。
また,窃盗罪と,建造物侵入罪は目的と手段の関係にあるので、法律上牽連犯の関係にあり,刑事手続上,一罪として扱われ,窃盗罪の法定刑の範囲で刑罰を負います。
見込まれる刑罰
窃盗罪の法定刑は,10年以下の懲役又は,50万円以下の罰金が予定されています。そのため,今回の事例の場合についても,この範囲で刑罰を負います。
実際の量刑傾向からすると,前科前歴のない人が,建造物に侵入し,窃盗を行った場合,多くの場合,執行猶予付きの有罪判決になっています。ただし,同様の余罪があったり,被害金額が多額だったりすると,実刑になる可能性もあります。
今回の事案の場合,Aさんに余罪はありませんし,くず鉄の時価相当額は不明ですが,多額に上るとは考えられないことから,執行猶予付きの有罪判決となる可能性が高いです。
そのため,今回の事例の場合,弁護活動としては,執行猶予付きの有罪判決を目指すよう活動していく必要があります。
闇バイト事件について注意すること
このような闇バイト事件はかつては,特殊詐欺に関するものが多かったのですが,
窃盗や強盗に関する闇バイトが存在するというような報道もあります。
また,普通のバイトを装って募集されていることから,犯罪行為に加担する気が無くとも加担することがあります。
そのため,普通のアルバイトの求人であっても,応募の際に免許証などの身分証明書を要求してこないかということや,現場での説明がどうなっているかということについて注意しておく必要があります。
特に,強盗に関わるような闇バイトでは,強盗殺人を命じられるケースがあるということも聞きます。
強盗殺人の場合,無期懲役か死刑しか予定されていない関係から,強盗殺人に該当することになった場合,実刑となり,社会復帰が困難になりますので注意が必要です。
ご自身又はご家族が闇バイトに関わっていないか心配な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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詐欺の方法を記載したマニュアルを配布したら詐欺罪に問われるの?ーインターネット上での投稿において注意すること
ネットトラブル

インターネットを利用する際に生じ得るトラブル
IOT(Internet of Things インターネット・オブ・スィングス)技術の向上により、世界中の人とつながることができ、自由に自己を発信できるようになるなど、一昔前では考えもしなかったことができるようになりました。
一方で、こうした技術が悪用されたり、言動にブレーキがかからなくなって、以前では考えられなかった形で被害に遭うことも見られるようになりました。
インターネット上の被害
性被害
マッチングアプリで知り合った人から、不同意性交等や児童買春などの性被害を受けるおそれが高まっています。
また、同年代の児童や同性に成りすまして裸などの性的画像を送るように要求することが見られます。、これにより入手した性的な画像を拡散したり、脅迫して性的関係を強要するなどの、更なる被害に繋がるおそれがあります。
また、近年では顔写真などの公開されている画像を使って顔が同じ人のわいせつな格好の画像を作成するといった、ディープフェイク・ポルノの被害も生じています。
情報漏洩
コンピューターウイルスに感染させたり、退職者が情報を持ち出すなど様々な方法で、国・公共団体や企業の保有する個人情報の流出がしばしば生じています。このような情報を使われて詐欺が行われる等の被害が生じています。また、自宅や家族構成などが公開され、住居侵入、窃盗・強盗、性犯罪などの被害に繋がるおそれもあります。
名誉毀損・侮辱
インターネットの発達により、投稿サイトやSNSで、匿名で自由に発言できるようになりました。このため発言のハードルが下がり、真偽を問わず個人の情報が勝手に拡散されたり、人格攻撃などが頻繁に起こることが見受けられます。
インターネット上の犯罪への対応
犯罪に該当するようなトラブルは、警察へ被害届を出して捜査してもらうことが重要です。
公然とわいせつな画像などをさらせば公然わいせつ罪となります(刑法第174条)。
わいせつ行為や性交等をすれば、不同意わいせつ(刑法第176条)や不同意性交等(刑法第177条)の罪に問うことができます。
児童買春、児童ポルノの所持・製造は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」により処罰されます(児童買春:同法第4条、児童ポルノ所持等:同法第7条)。
ネット上で投稿等により名誉毀損や侮辱をした場合、ネット上であっても名誉棄損罪(刑法第230条)や侮辱罪(刑法第231条)に問うことができます。
権限がないのに勝手にパスワードを使ってアクセスするような行為は不正アクセスとして処罰されます(不正アクセス行為の禁止等に関する法律第3条・第11条)。
不正アクセスや退職者が情報を持ち出すこと等により営業秘密を取得して使用するような行為は、不正競争に当たり、不正競争防止法により処罰されます。
発信者情報の開示
インターネット上で名誉毀損や侮辱に当たる投稿をされた場合、その投稿をした者(発信者)を突き止めることができます。「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)では、発信者情報開示の手続きが定められています。発信者情報を開示させることで発信者を特定し、刑事責任や民事責任の追及につなげることができます。
損害賠償請求などの民事責任
以上のようなネットトラブルで被害を被った場合、刑事処罰だけでなく加害者に損害賠償を求めることが重要です(民法第709条)。他にも、違法行為などをされるおそれがあれば差し止め請求をすることが考えられます。
まとめ
このようにネットトラブルは様々なものがありますが、それに対する対抗手段もあります。
ネットトラブルでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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ネットトラブルと裁判の証拠ーネットトラブルが起こった場合の証拠の取り方について解説
チート行為をしたら,刑事処分を受けるのか―チート行為で問題となる犯罪について解説

オンラインゲームでのいわゆるチート行為は、他のプレイヤーや監理者にも悪影響を及ぼしかねません。このような行為は犯罪となるのでしょうか。
【事例】
Aさんは,甲という多人数参加型のシューティングゲームを遊ぶ際に,相手プレイヤーのキャラクターの頭に自動で照準が合うチートツールを利用して,遊んでいました。
自動で頭に照準が合うことによって,他のプレイヤーのように自力で合わせること無く,ゲームの通常動作する動きと異なって相手プレイヤーを倒しやすくするため,ゲームを面白くなくするとして甲の運営会社は問題視していました。ゲーム会社は,Aさんを警察に通報しました。
そのため,Aさんは警察に呼ばれることになりました。
どのような犯罪が成立するのか
このような,ゲームでのチートツールの利用については,複数の犯罪を根拠として,捜査が行われます。
電子計算機使用詐欺罪:不正なデータを与えて,有料のコインを取得したり,有料のアイテムを取得したりすると成立する犯罪です。10年以下の懲役が予定されています(刑法第246条の2)。
電子計算機損壊等業務妨害罪:不正なデータを与えて,ゲームの運営会社などの業務を妨害したり,ゲーム会社のサーバーを使用不可能にした場合に,成立する犯罪です。5年以下の懲役又は,100万円以下の罰金が予定されています(刑法第234条の2)。
不正指令電磁的記録作成等罪:不正なデータを与えて,コンピュータに意図に反する動作をさせた場合に成立する犯罪です。3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が予定されています(刑法第168条の2)。
著作権法違反(翻案権侵害,同一性保持権侵害):著作物を変更するデータを与えることによって,著作物を改変したことを理由として成立する犯罪です。5年以下の懲役,若しくは500万円以下の罰金,又は,その併科が予定されています(著作権法第119条第2項第1号)。
今回のAさんのケースの場合どのような犯罪が成立するのか
今回のAさんのケースですと,有料コインを取得したりするものではないため,電子計算機使用詐欺罪は成立しません。
甲のサービスを止めるようなツールは使われておらず,甲を提供するゲーム会社の業務を妨害することはしていないため,電子計算機損壊等業務妨害罪は成立しません。
甲のキャラクターの見た目等の著作物と認められるものではなく,ゲーム内の照準の動きに対する改変しか加えられていないため,著作権法違反は認められません。
甲の運営会社のコンピュータやサービス提供に関して,意図に反する動作を与えていないため,不正指令電磁的記録作成等罪も成立しないと考えられます。
そのため,今回のAさんのケースですと,犯罪までは成立せず,刑事処分までは受けないと考えられます。
しかし,例えば,ゲーム内の有料アイテムを無料で取得するようなツールを作成したり,そのツールを利用して有料アイテムを無料で取得したりすると,電子計算機使用詐欺罪や,不正指令電磁的記録作成等罪が成立し,チート行為をしたことを理由として,処罰されることはあります。
また,このようなチート行為をした者が20歳未満だった場合,少年事件として,家庭裁判所の審判を経て保護観察処分を受けたり,厳重注意処分となることがあるようです。
そのため,どんなチートツールを作成したのか,利用したのかということが刑事処分を左右することになります。
刑事処分以外の処分はあるのか
Aさんのケースのようなチート行為をした場合には刑事処分にならない可能性が高いです。
しかし,刑事処分以外の処分を受けることは考えられます。
例えば,甲の運営会社によって,多人数型のシューティングゲームに参加できなくさせられる処分を受ける可能性が考えられます(アカウント凍結など)。
また,ゲームのプレイ人口を減らし,ゲームの運営に支障を与えたことを理由として,損害賠償請求を受けることが考えられます。
そのため,刑事処分を受けない可能性があるとしても,ゲーム運営会社による処分や,民事的な責任追及は行われます。
このような責任追及を受ける可能性があるため,チートツールの利用はやめた方が良いと言えるでしょう。
チート行為で心配な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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チケットの不正転売ーチケットの不正転売に関わった場合にどのような刑事罰を受けるかについて解説
詐欺の方法を記載したマニュアルを配布したら詐欺罪に問われるの?ーインターネット上での投稿において注意すること

「いただき女子」と称する女性が詐欺を実行する際のマニュアルを販売しており,その販売行為が問題となった事件がメディアで取り上げられました。
このような詐欺を実行する際のマニュアルの販売行為については,詐欺幇助として刑事責任を負うことになります。
ここでは,このような詐欺を実行する際のマニュアルの販売行為が詐欺になるのか解説します。
・詐欺罪について
刑法246条1項の詐欺罪が成立するためには,「人を欺いて財物を交付させた」と言えなければならないとされています。
まず,財物交付の基礎となる重要な事実についてうそを言ったということが言えなければなりません。
財物交付の基礎となる重要な事実というのは,例えば,会社を設立するつもりが無いのに,「会社を作るから,株主になってほしい」などの事実を言うことを指します。会社を作るか作らないかということは,株を購入する株主にとって株式の価値を増加させることができるかどうかという関心ごとに関わることですので,財物交付の基礎となる重要な事実ということができます。
また,同様に,結婚するつもりがないにもかかわらず,「結婚するから,日々のアパートの家賃を払ってほしい」というのも,相手の歓心を買い相手と結婚するかどうかが重要な事実となっていることから,この事実を偽っている場合は,欺いたということに該当することになります。
・詐欺幇助について
そのため,詐欺幇助となる場合というのは,こういった欺罔行為を助けた場合です。
このように助けたということが言えるためには,他人の犯罪を容易ならしめる行為を,それと認識,認容しつつ行い,実際に正犯行為が行われたということが言えなければなりません。
例えば,名古屋地方裁判所令和6年4月22日判決によりますと,「いただき女子」のマニュアルに記載されていた内容について,「男性を篭絡して自己に好意を抱かせた後に同男性に対して家賃の支払いを滞納しているなど自分が経済的苦境に陥っている旨の種々のうそを告げて同男性から現金をだまし取る方法などを記載した」と認定されており,このマニュアルを使って男の篭絡方法について助言をし,実際に詐欺を行った人の犯行を容易にしたため詐欺幇助を行ったということが認定されています。
そのため,このようにマニュアルを販売し,助言をすることについては少なくとも,詐欺罪の幇助犯になるようです。
一方,ただマニュアルを販売した点について詐欺罪に問えるかということが問題になりますが,これについては,マニュアルというものは,詐欺にしか利用できないものではないので,具体的にある人物が詐欺に利用するという認識がありつつ,このようなマニュアルを提供したということが言える事情がなければ詐欺罪の幇助として刑事責任を問うことは困難であると考えられます。
・このような事件の弁護活動
近年,「いただき女子りりちゃん」のマニュアルを真似てインターネットで販売する例があるということをニュース等で耳にします。
「いただき女子」に限らず,詐欺の事件というものは,金額が100万円を超えたら,実刑になることが考えられる類型の犯罪です。
そのため,数百万円の示談を行い不起訴や執行猶予をねらうか,実刑の中でも軽い刑罰を目指すかということが重要な関心ごとになります。
このようなマニュアルの販売行為というものについて,マニュアルを販売しただけではなく,助言までしていたということであれば詐欺の幇助として,罪責を負うことは間違いないのですが,単なる販売のみをとらえて詐欺罪の幇助に問うことは難しいです。
この場合の弁護士の弁護活動としては,助言を行っていないということ,具体的に詐欺行為が行われることを認識した上でマニュアルを提供したわけではないということ,示談を行い被害回復を行ったことを主張することになると考えられます。
他にも,マニュアルを販売し,だまし取った犯人に代わって示談を行い,被害回復に努めることが考えられます。詐欺罪というのは,財産犯ですので,財産的被害の回復が行われた場合,被害回復が済んでいるということになり不起訴であったり,有利な事情として考慮されることになります。
このように、インターネット上で犯罪の方法を公開するようなことをした場合、罪に問われる可能性があります。
インターネットでの情報の公開について不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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