課金・ガチャとは
最近のインターネット等で使われる「課金」とは、スマートフォンゲームなどで、強化アイテムや強いキャラクターやおしゃれな衣装を後述の「ガチャ」で出すためにオンラインゲームでの有料サービスに金銭を出すことを指します。
「ガチャ」というのは、スマートフォンゲームで強いアイテムや強いキャラクター、おしゃれな衣装を抽選で出すための仕組みです。また、この「ガチャ」で強いアイテム、強いキャラクター、おしゃれな衣装を出させることを「ガチャを回す」と言ったりします。
たいていのスマートフォンゲームは、無料でダウンロードし、遊ぶことができるのですが、より強く、より楽しむためにこの「課金」と「ガチャ」が必要になっています。
しかし、課金をする人が欲しいと思われるアイテムや、キャラクター、衣装を出すためには何回もガチャを回さなければならないということがあります。そのため、場合によっては、何百万円、何千万円と出費をする人がいます。
さらに、プレイヤーのランキングを競う仕組みがゲームによってはあるため、そのランキングで上位になるために、さらに、何百万円、何千万円とお金をかけてしまう人がいます。
課金、ガチャに関するトラブル
このように、スマートフォンゲームは無料で遊べ、スマートフォンゲームでより強くなりたいとプレイヤーが考えることから、スマートフォンゲームに高額の課金を行ってしまい、破産をするという人がいます。
また、子供も気軽にスマートフォンゲームで遊んでしまうことから、子供がいつの間にかゲームに課金をしており、とんでもない額の請求がされたという例があります。
他にも、スマートフォンゲームのガチャの確率の考えが異なることから、ガチャから目当てのものがいつも出てくると誤認することが考えられます。
(100個のガチャポンから一つの欲しい商品を出すために100回ガチャポンを回すと、100%その欲しい物は手に入るが、スマートフォンゲームのガチャを100回回して、確率1%の目当ての物を少なくとも1回手に入れる確率は、63%ほどという違いがあります。)
この計算は(1-(100回全部外れる確率))の計算で計算されます。そのため、スマートフォンゲームの当たりの確率1パーセントのガチャで当たりが出る確率の計算式は、1-0.99100です。0.99100=約0.366なので、全部外れる確率は、約36.6%です。そのため、少なくとも1回あたりを引く確率は,約63%となります。
スマートフォンゲームの課金に関するトラブルを防ぐためには
このように、高額課金を行ってしまうことによるトラブルを防止するためには、課金についてのセルフコントロールを行い、一つのゲームにつき、最大いくらまでと決めておくことや、クレジットカードやキャリア決済ではなく、いちいちカードの電子マネーを購入して決済しなければならない仕組みになるよう設定しておくことが考えられます。
子供が勝手に課金してしまったという場合には、子供に課金出来ないようにペアレンタルコントロールをかけておいたり、自分しか知らないパスワードを入力しなければ課金出来ないようにしておくということが考えられます。
また、オンラインゲームへの課金のし過ぎでお金を支払えなくなっているという場合、破産することが考えられます。破産というのは、人生の終わりではなく再出発のためのものですので、破産をしたいという場合には弁護士に相談してください。
オンラインゲームへの課金することに依存してしまっているという人については、医師の相談を受けるようにしてください。
スマートフォンゲームの課金が悪化すると
スマートフォンゲームの課金が悪化すると、借金に困ったり、通常の生活を行えなくなったり、依存症に苦しんだり、金を得るために闇バイトや窃盗などの犯罪に手を染めてしまうという事態に陥ることがあります。
借金問題や犯罪に手を染めてしまって困っているということであれば、弁護士にご相談ください。また、依存症として困っているということであれば、医師に相談することをお勧めします。
スマートフォンゲームにのめり込み、何かおかしいと思ったら誰かに相談してみるといいのではないでしょうか。
子どもの課金・ガチャに関するトラブル
子どもにスマートフォンを持たせていた場合、子どもが無料ゲームをダウンロードし遊ぶということがあります。しかし、たいていの無料ゲームでは課金要素があり、子どもがその課金を行いゲーム内で上位になろうとしてしまいます。
その結果、子どもが知らない間にゲームに課金を行っており、クレジットカードからそのお金が決済されていたという事例があります。
また、子どもはゲームの無料という範囲について理解が無く、親の金で課金しているのではなく、ゲーム内のコインを使って課金していたなどと勘違いしているという事例もあるようです。
このように、子どもの無断課金によるトラブルが発生し、国民生活センターや民事事件として弁護士に相談する例があるようです。
子どもにスマートフォンを貸していると
国民生活センターの報告によりますと、親が子供にスマートフォンを貸し与えていたところ、子どもが親の設定していたパスワードを変更してアカウント決済やキャリア決済を可能にしてスマートフォンゲームへの課金をしてしまった事例があるようです。
また、親の設定していたパスワードでなくても、指紋認証について子どもの指紋でも認証できる状態に子供が勝手にしてしまい、この指紋認証でスマートフォンゲームに課金されてしまったという事例があるようです。
そのため、パスワードや指紋認証があるからと言って安心はできません。
子どもによる課金トラブルを防ぐには
子どもによる課金トラブルを防ぐためには、まず、子どもに対して課金とはどういうものなのか、無料ゲームの無料の範囲はどのくらいなのかということを教えておく必要があります。最近では、学校でもゲームの課金についてどのようなものなのか教えられているようですが、家庭内でもゲームの課金について教えておく必要があると言えます。
また、子どもがどうしても課金をしたいということである場合には、子どもと話し合い、小遣いの範囲やお年玉の範囲までと決めて課金を許しておくことが良いと思われます。
子どもによる課金を許さないという場合であれば、子どもにスマホを貸さないとか、スマートフォンゲームをダウンロードしていないことをお勧めします。
また、いつの間にか子どもが課金しているということを防ぐために、決済完了メールや明細書を確認するようにすることをお勧めします。
子どもが無断で課金してしまったら
民法5条2項によれば、子どもが無断で課金したということであれば、未成年者取消を主張することができます。
これで、スマートフォンゲームの会社がこの請求を拒んだ場合には、国民生活センターや弁護士に相談することをお勧めします。
親のアカウントでログインしたスマートフォンで課金された場合について子どもの課金であると会社が認めなかった事例もあるようですが、弁護士に相談すれば、このような事例についても解決できると考えられます。