インターネットの口コミは、時には事実無根の内容がかかれ、風評被害をもたらしかねません。このような口コミに対して削除などをする必要があります。
転職会議というサイトに投稿された口コミの削除を例にして解説します。
【事例】
事件を基にしたフィクションです。
A社はB県で建設会社を経営している会社です。A社の社長はCさんです。
ある日,転職会議の口コミに,『改善点・C社長はとんでもないサボり魔,社員が暑い中必死で働いているのに,帳簿や段取りの確認も無く,エロサイトをみていた。』『・仕事が完了した旨の報告に社長室に行ったら,知らない女がいました。どうやら社長が呼んだ風俗嬢のようでした。こういう風に,会社を私物化するのをやめてほしいです。』と書かれていました。
しかし,Cさんがエロサイトをみていた事実や,風俗嬢を呼んだという事実は無く,A社の従業員はだれも風俗嬢が来たところを見ていませんでした。そのため,Cさんとしては,この口コミの削除を請求することにしました。
この場合,口コミの削除をどのような方法で行っていくか解説していきます。
口コミの削除をどのようにするのか
この手段は,①転職会議に削除申請をする方法と,②裁判所を通じて削除請求をする方法の2通りの方法があります。
(1)転職会議のサイトに削除申請をする方法
転職会議は,送信防止措置依頼書を郵送する前に,お問い合わせフォームから連絡するよう求められますので,まずは転職会議のサイトのお問い合わせフォームから連絡する必要があります。
①転職会議のサイトにあるチャットボットをクリックして,「口コミ,企業情報に関するお問い合わせ」を選択します。そのあと,「口コミの削除について」を選択します。すると,「問い合わせフォーム」のリンクが見つかりますので,これをクリックします。
②この問い合わせフォームに,名前,メールアドレスを入力して,「送信措置防止依頼書をお送りしたいので,ウェブフォームのURLを教えてください」と入力します。
③数日たってから,ウェブフォームのURLが送られてきますので,それをクリックして,問題の投稿IDを入力して特定して,企業情報,電話番号,名前,メールアドレス,侵害された権利,侵害されたと判断される理由を入力して送信します。
④入力すると,「侵害情報通知書兼送信防止措置依頼書」というページが印刷されますので,これをプリントアウトして,郵送することで対応してもらえます。
なお,削除請求をする際は,情報が謝っているなどの根拠となる証拠があればより削除してもらいやすくなります。
(2)裁判所を通じて削除請求をする方法
削除依頼を転職会議に送ったにもかかわらず,情報が削除されない場合には,裁判所に投稿記事削除仮処分を申し立てることになります。
転職会議については,株式会社リブセンスが運営していますので,株式会社リブセンスを被申立人として仮処分を行うことになります。
この裁判の中で,どのような権利がどの投稿記事の記載から侵害されたのか主張することになります。
この場合,裁判所が,人格権侵害があると大まかに判断した場合には,投稿された口コミの削除が認められます。
(3)結語
このように,転職会議に投稿された口コミの削除を行うことができますので,名誉毀損的な内容や,企業の信頼を損なうような口コミでお困りの場合には,弁護士に相談されることをお勧めします。
口コミでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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