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マッチングアプリであった人に訴えられたー出会い系サイト・マッチングアプリでのトラブルについて解説

最近,性交渉目的の出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った異性と金銭の授受のある性交渉を行い,後で「レイプだった」と言われたという事件が多く見られますので,解説していきます。
【事例】
事件を基にしたフィクションです。
Aさんは,甲という性交渉目的の出会いを目的とするマッチングアプリを利用し,Bさんと「1万円でマッサージをお願いします」(マッチングアプリの利用者間では「1万円でセックスをお願いします」という約束になることが暗に決まっている)という約束でラブホテルで出会い,1万円を渡して性交渉(暴行脅迫は無い,Bさんが睡眠中であったなどの事情も無い)をしました。
後日,警察から「マッチングアプリで知り合った人と出会い,レイプされましたとの被害届が出されています」との連絡を受け,Bさんに連絡を取ったところ,「あれはレイプだった,アプリも性交渉は許していないし,私も精神的苦痛を被った。1000万円払って,そしたら,被害届を取り下げるから」と言われました。
ただし,Aさんは逮捕されていません。
このような場合に,①どのような犯罪が問題となるのか,②弁護人はこのような事件にどのように対応するのかについて解説していきます。
問題となる犯罪
不同意性交等罪(刑法177条1項)
まず,不同意性交等罪の成立が問題となります。
不同意性交等罪が成立するためには,①刑法176条1項各号の事由かこれに類する事情が認められること,②同意しない意思を形成し,表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じていると認められること,③性交等を行うことが認められる必要があります。
見込まれる刑罰
仮に,不同意性交等罪が成立するとなると,5年以上の懲役刑が予定されています。
そのため,情状酌量になるような事情が無ければ,実刑となり,すぐに刑務所に行くことになります。
弁護人としての活動
そのため,弁護士としては,①示談をするか,②犯罪になるような事件であると認めず,不起訴になるよう供述をコントロールするということが大事になってきます。
今回のような事例の場合,
もちろん,①の手段を選択して,起訴される前に1000万円で示談を行い,起訴猶予を理由とした不起訴を目指すということも可能です。この場合に弁護人を選任する利益としては,これ以上の不当要求を拒めるという利益があります。
こういった事例の場合,弁護人をつけこれ以上の金銭要求を拒めるような示談を無い限り,被害者が1000万円支払ってくれたから,なんか理由をつけて,更に取れると思い,「精神科に通うための治療費として500万円」などと言い出し,示談金がかさんでいく可能性があります。
そのため,弁護人を選任し,これ以上の金銭要求を拒める形での示談を行うことによって,1000万円支払って事件を不起訴にし,これ以上の不当要求を拒んで事件を解決するということが考えられます。
②の手段を選択することも考えられます。
今回のような事例の場合,Aさんは,Bさんに対して暴行や脅迫を行っていないですし,Bさんの寝込みを襲ったような事情もありません。不同意性交等罪の刑法176条1項各号の要件を満たす事情がありません。そもそも,マッチングアプリのやり取り上,同意して性交に及んだとみられる事情があります。
そのため,Aさんが犯罪を否定した場合,それなりに認められる可能性があります。
そのため,弁護人としては,依頼者に対して,継続的なアドバイスを行って,性犯罪事件ではないという形で話させ示談も何もせずに,不起訴を目指すということが考えられます。
この手段を取る場合,被害者からの金銭要求を弁護士を使って拒むことができますし,弁護士から,継続的なアドバイスをもらって,警察官の取調べに対応でき,不起訴になる可能性を上げるというメリットがあります。
このような弁護人としての活動が出来ますので,このようなトラブルに巻き込まれた場合には,迅速に弁護士に相談して,事件についての解決を目指すということができます。
出会い系サイトやマッチングアプリでのトラブルにお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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インターネットでの性被害-青少年の性被害を防ぐ法律について解説
SNS上の投稿の削除ーインスタグラムに投稿された投稿の削除について解説

インスタグラムなど様々なSNSが展開され、様々な人が情報を投稿できるようになりました。その一方で、他人のプライバシーに関する情報も安易に拡散される可能性が大きくなっています。
【事例】
Aさんは,お笑い芸人として,テレビに出演している芸能人です。
ある日,インスタグラムを見ていたところ,「Aさんに熱愛発覚!?」とタイトルが付けられ,彼女と自宅付近を歩いている様子が撮影されている写真を発見しました。
Aさんに彼女がいることは事実ですが,Aさんの顔と,プライベートの様子が撮影されているので,Aさんとしても,その点が気になっているようです。
写真の中身としても,Aさんと彼女の様子が大写しになっており,どちらにもモザイクがかけられていません。
このようなインスタグラムの投稿が見つかった場合に,投稿の削除をすることができるか説明します。
インスタグラムの投稿を削除する方法としては,
①インスタグラムで報告を行い,削除を求める方法と,②裁判所の仮処分によって,投稿の削除を求める方法があります。
以下,それらの方法について解説します。
インスタグラムで報告を行う方法
①インスタグラムの投稿からも直接報告できるのですが,インスタグラムの報告フォーム上,名誉権侵害やプライバシー権侵害についての項目はありません。強いて言えば,「いじめまたは嫌がらせ」の項目がこれに該当することになります。
そのため,インスタグラムの問題の投稿について,「…」を押し,「報告する」を押し,「いじめまたは嫌がらせ」を選択することによって,対応することになります。
②しかし,①の方法では,なぜ削除されるべきなのか明らかではないため,メタ社が対応しない可能性があります。そのため,インスタグラムのページの下部にある「利用規約」のページから,Instagramの「ヘルプセンター」のページにアクセスします。
③「ヘルプセンター」の「プライバシー,セキュリティ,報告」から「報告するには」を選択して,「Instagramでの嫌がらせやいじめの報告」を選択します。
④その中に青字で「報告」と書かれているところを押します。すると,インスタグラムのヘルプセンターのページが表れるので,アカウントを持っているかどうか,報告しようとしているコンテンツの閲覧がブロックされているか聞かれるので,入力します。
⑤報告したい投稿のリンクを貼り,その投稿が不適切な理由として,プライバシー権を侵害しているなどの詳細な理由を書き,報告し,削除することを求めることになります。
(なお,「Instagramのアカウントを持っていますか」に「はい」と答え,「報告しようとしているコンテンツの閲覧がブロックされていますか」に「いいえ」と答えると,直接投稿を報告するよう促されてしまうので,「Instagramのアカウントを持っていますか」という質問に対しては「いいえ」と答えることをお勧めします。)
裁判所の仮処分によって,投稿の削除を求める方法
インスタグラムの運営会社であるメタ社に対して,投稿削除の仮処分を行うことが考えられます。
インスタグラムの運営会社はアメリカ合衆国のカリフォルニア州に本社を置く会社ですが,日本にも法人があること,損害が日本で発生していると考えられることから,日本の裁判所に訴えを提起することによっても裁判を行うことができます。
そのため,メタ社を被申立人として,どのような投稿から,権利侵害が行われたのか特定して主張し,権利侵害があると大まかに認められれば,通常の裁判より簡易・迅速に投稿された書き込みの削除を行うことができます。
今回のAさんの事例の場合,インスタグラムにプライベートの情報である彼女といる状態の写真が投稿されていること,しかも,顔も隠さずに投稿されていることから,プライバシー権,肖像権が侵害されていることを理由として,インスタグラムで報告を行ったり,メタ社を被告として,投稿削除の仮処分を求めることになると考えられます。
このような手続で投稿の削除を行うことができますので,プライバシー権侵害,肖像権侵害でお困りの方は,弁護士に相談することをお勧めします。
SNSへの投稿でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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ネットでの性被害

インターネットの発達により、世界中の人が繋がることができるようになりました。特にSNSの普及で、気軽に他の人と繋がることができるようになりました。
一方で、性的な映像を簡単に目にするようになり、また他人に送ることも容易になりました。また、マッチングアプリなどで人と会うことも便利になりましたが、その一方で性犯罪に遭ってしまう恐れも高まりました。このため、世界中で青少年の性被害が多発しています。
ここでは、日本における性被害防止のための法律について解説します。
16歳未満の者に対する面会要求等罪
わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限ります。例えば、14歳の相手に対し17歳の者が行為した場合は含まれません。)は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(刑法第182条第1項)。
① 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
② 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
③ 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
この罪を犯した上で、よってわいせつの目的で当該16歳未満の者と面会をした者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます(第2項)。
また、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第2号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限ります。)を要求した者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、第1項の犯罪と同様、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限ります。)は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
① 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
② 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。
児童ポルノ
18歳未満の児童(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ法第2条第1項)について、写真のほか、画像データなど「電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物」であって、次のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものが児童ポルノに該当します。
①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
18歳未満の児童のものと知って性的な画像をダウンロードしたりすれば、児童ポルノの所持に該当し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます(児童ポルノ法第7条第1項)。この児童ポルノを電子メールで他人に送るなどの提供をすれば、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます(児童ポルノ法第7条第2項)。、ます。児童に裸の画像を取って送らせるなど性的な画像の作成に強く関与したのであれば、児童ポルノ製造に該当し、同様に3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます(児童ポルノ法第7条第4項)。SNSに挙げるなど、不特定多数に提供した場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処され、又はこの両方を科されます(児童ポルノ法第7条第6項)。
青少年健全育成条例
各都道府県の青少年健全育成条例では、青少年に児童ポルノなどの提供を求める行為や下着の買受などを禁止ししています。
東京都の青少年の健全な育成に関する条例では、次のように定め、児童ポルノや下着等の提供を求めることを禁止しています。
(青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止)
第十八条の七 何人も、青少年に対し、次に掲げる行為を行つてはならない。
一 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二条第三項に規定する児童ポルノ(以下単に「児童ポルノ」という。)又は同法第七条第二項に規定する電磁的記録その他の記録をいう。次号において同じ。)の提供を行うように求めること。
二 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求めること。
(着用済み下着等の買受け等の禁止)
第十五条の二 何人も、青少年から着用済み下着等(青少年が一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿をいい、青少年がこれらに該当すると称した下着、だ液又はふん尿を含む。以下この条において同じ。)を買い受け、売却の委託を受け、又は着用済み下着等の売却の相手方を青少年に紹介してはならない。
2 何人も、前項に規定する行為が行われることを知つて、その場所を提供してはならない。
第18条の7の規定に違反した場合、30万円以下の罰金に処されます(第26条第1項第7号)。
第15条の2第1項の規定に違反した場合、30万円以下の罰金に処されます(第26条第1項第4号)。これを業として行っていた場合は、50万円以下の罰金に処されます(第24条の4第1号)。
第15条の2第2項の規定に違反した場合、50万円以下の罰金に処されます(第24条の4第1号)。
まとめ
このように、様々な法律で青少年を性被害から保護しています。
インターネット上での性被害にお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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インターネット上のトラブルーインターネットを利用するなかで遭遇するおそれのあるトラブルについて解説
インターネットと名誉毀損ー名誉毀損罪の犯罪が成立するか

インターネットトラブルの事件において、刑法上の名誉毀損罪が成立するかの判断は重要です。
刑法上の犯罪が成立するのであれば、警察に被害届・告訴を提出し、状況次第では犯人が逮捕されることになります。
犯人が逮捕されたら、犯人側から謝罪や被害弁償の話をすることを求めてくることがあります。
今回は、刑法上の名誉毀損罪について解説いたします。
刑法第230条第1項には、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されております。
人が円滑な社会生活を送るためには、人の名誉を保護しなければなりません。
社会が与える評価としての外部的名誉・社会的名誉が保護されます。
名誉を人に対する社会の評価という事実的なものとして捉えております。
公然とは、不特定又は多数人が認識できる状態をいいます。
公然性は、現実に認識することを必要とせず、認識できる状態に置かれていれば足ります。
摘示される事実は、人の社会的評価を害するに足りるものでなければなりません。
非公知の事実に限らず、公知の事実でも、摘示によって更に名誉を低下させるおそれがあれば認められます。
真実であっても認められ、虚偽の事実である必要はありません。
事実はある程度具体的な内容を含むものでなければならず、単なる価値判断や評価は含まれません。
誰に対する事実の摘示であるかが明らかになっていなければなりません。
対象となる人は、法人その他の団体も含まれます。
名誉毀損行為としては、人の社会的評価を害するに足る行為があればよく、現実に害されることは必要ではありません。
他人の社会的評価を害し得る事実を不特定又は多数人が認識し得る方法で摘示することについての故意が必要になります。
刑法第230条の2では、「前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。」と規定されております。
本条は、人格権としての個人の名誉の保護と憲法第21条による正当な言論の保障との調和を図ることを目的としております。
公共の利害に関する事実とは、社会一般の利害に関係することをいい、公共性のある事実を評価・判断するための資料になり得るものであることをいいます。
そのため、私生活上の事実であっても、その携わる社会的活動の性質及びこれを通じて社会に及ぼす影響力の程度などによっては、社会的活動に対する批判ないし評価の一資料として、公共の利害に関する事実に該当することがあります。
政治家や公務員やその他の社会的地位がある人であれば、認められやすくなります。
目的の公益性は、その事実を摘示した主たる動機・目的が公益を図ることにある場合をいいます。
真実の証明が出来たら、犯罪は成立しません。
真実の証明が出来なくても、事実を真実であると誤信し、その誤信したことについて確実な資料・根拠に照らし相当の理由があるときは、故意がないとして犯罪は成立しません。
インターネット上で名誉毀損の被害を受けたら、弁護士に相談してください。
具体的にどのような方法で対応していくべきか、丁寧に説明させていただきます。
時間が経てば経つほど被害は拡大していきますので、なるべく早いご相談をお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料の面談を実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
インターネットトラブルについて強い弁護士が懇切丁寧に対応させていただきます。
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インターネットでの誹謗中傷への対策ーインターネット上で誹謗中傷を受けたら弁護士に相談してください
ネット上のコメントの削除ーニコニコ動画のコメントの削除

【事例】
Aさんは,ニコニコ動画で自分の作詞作曲した音楽をボーカロイドに歌わせた動画を配信している動画投稿者です。
ある日,Aさんが自身の作詞作曲した曲の動画のコメントを見ていたところ,0:40くらいに「これ俺の曲のパクリだろ」と赤文字で表示され,直後に「コレ→sm22222222」そこから,継続的に「パクリ」「パクリ」動画が見にくくなる程流れるようにされていました。
しかし,Aさんとしても,この曲の動画を見たことが無く,弁護士に相談しても,歌詞もメロディーも全然似ていないとの回答でした。
そのため,Aさんは,これらのコメントを削除したいと考えました。
このような場合に,ニコニコ動画でのコメントの削除の方法について解説していきます。
コメントを削除させる方法として,①ニコニコ動画の通報ボタンを使う方法,②裁判手続による方法が考えられます。
そのため,以下これらの方法について解説していきます。
ニコニコ動画の通報ボタンを使う方法
ニコニコ動画で通報機能を利用するためには,ニコニコ動画のアカウントを作成する必要があります。
そのため,
①ニコニコ動画のアカウントを作成すること,
②問題の動画の動画ページに移動し,動画視聴ページの問題となるコメントをクリックします。
③違反していると考えられる理由についての記載を求められるため,その理由を記載します。特に,ニコニコ動画のニコニコ利用規約とニコニコ活動ガイドラインのどこに違反しているかということを詳細な理由と共に記載すると,運営会社にとっても対応がしやすくなります。
このようにして,通報を行うことによって,ニコニコ動画のコメントの削除をすることができます。
ただし,ニコニコ動画側から,個別の通報に対する回答は行っていないので,削除されたのかどうかはもう一度動画を見なおさない限り分かりません。
裁判手続による方法の場合
通報したにもかかわらず,ニコニコ動画側からのコメントの削除が無い場合,裁判手続きによることになります。
裁判所の仮処分による場合,投稿記事削除の仮処分を行う方法に寄ることになります。
この手続は,名誉権あるいは,プライバシー権などが侵害されているとおおむね認められる場合,通常の裁判よりも迅速かつ,簡易な手続によって暫定的に投稿記事の削除を行わせるものです。
この判断については,裁判所に申し立ててから,1か月から2か月程度で結論が出るとされています。そのため,比較的迅速に記事の削除を行わせることができます。
この手続による場合でコメントの削除を求める場合,どのコメントなのかということについて,ユーザーID,コメント番号,コメント内容などから特定して,なぜそれが名誉権侵害となっているのかについて詳細な理由をつける必要があります。
この手続についてもノウハウのある弁護士に頼むことが望ましいです。
また,弁護士や,裁判所から見てどのような書き込みがどのような文脈で出てきたのか分かりやすくするために,書き込まれた記事のスクリーンショットを残しておくと望ましいです。
【事例】の場合の対処方法
この事例の場合,Aさんが著作権侵害を行っていないにもかかわらず,著作権侵害を行っていると言われていますので,名誉権を侵害されている事態が発生していると言えます。
そのため,ニコニコ動画の通報機能や,裁判手続を用いて問題のあるコメントを削除していくことになります。
動画のコメントでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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動画を削除したいー虚偽情報や誹謗中傷を内容とする動画の削除について解説
ネット掲示板の書き込み削除ーしらたば掲示板に書き込まれた書き込みを削除したい

インターネットでは「掲示板」という様々な議題について書き込みができるサイトがあります。誰もが利用できる半面、以下のような悪質な書き込みがされることがあります。
【事例】
Aさんは,動画配信者として活動している人物です。
ある日,したらば掲示板のサイトをみていたところ,「Aアンチスレ」という掲示板群が立ちあげられていました。この掲示板の中の「【朗報】Aゲームが下手part53」で,「23 Aのゲームセンスゴミ過ぎ,絶対池沼」「31 >>23 その通り過ぎる。リスナーのと会話もかみ合ってねえし,健常じゃねえ。IQ70くらいで,中度くらいの池沼だろ。病院行けよガイジ」と書かれていました。
(「池沼」とは,「知的障碍者」を指し,「ガイジ」とは「障害者」を指す言葉で,どちらも差別的なネットスラングです。)
この場合に,このような書き込みの削除をどのように行うか解説します。
口コミの削除をどのようにするのか
口コミの削除の方法は,①したらば掲示板の掲示板管理者に削除依頼をする方法,②したらば社に削除依頼をする方法,③裁判所に申し立てを行い削除請求をする方法があります。
したらば掲示板の掲示板管理者に削除依頼をする方法
したらば掲示板は,レンタル掲示板を無料で作成できるサイトですので,個々の掲示板に掲示板管理者がおり,書き込みの削除を行う際には,掲示板管理者に連絡するという手段があります。
この場合,
①個々の掲示板の一番下にある「掲示板管理者へ連絡」をクリック
②掲示板管理者への連絡フォームのページが表示されるので,掲示板URL,名前とメールアドレス,質問の種類として「削除依頼」を入力します。そのうえで,質問内容の記入の欄に,問題と考えるスレッドのURL,レス番号,その書き込みが何権侵害になっているのかという詳細を書く必要があります。
③通常は,7日程度で返信があり,これによって,削除することができます。
もし,掲示板管理者が削除してくれない場合には,したらば社に削除依頼をするということができます。
したらば社に削除依頼をする方法
したらば掲示板の個々の掲示板の管理者が削除に応じてくれない場合,したらば社に削除依頼をする方法を検討することになります。
この方法によって,削除を依頼する場合は,
①「弁護士・法務関係,捜査関係のお問合せ」をクリックします。
②「弁護士の方」の方をクリックします。
③お問い合わせ内容として,「送信防止措置(削除)」「送信防止措置(削除).開示依頼」のどちらかを選択,該当スレッドのURLの入力,レス番号の入力,弁護士の事務所名,弁護士の名前,メールアドレスを入力します。
④内容の欄に,問題となる書き込みがなぜ権利侵害に当たるのかということを入力します。
⑤これによって,したらば社の担当者から追って回答する旨の連絡があり,追加の書面の提出などが求められ,掲示板の書き込みについて削除することができます。
なお,弁護士でなくとも,本人であれば削除依頼をすることはできるようです。
この方法によっても,したらば社が応じてくれない場合は,裁判所に申し立てを行う方法によって対応することになります。
裁判所に申し立てを行い,削除請求をする場合
したらば掲示板の運営会社については,株式会社したらばが運営会社になっています。
そのため,したらば社を被申立人として,どのような投稿から,権利侵害が行われたのか特定して主張し,権利侵害があると大まかに認められれば,通常の裁判より簡易・迅速に投稿された書き込みの削除を行うことができます。
今回の【事例】のような場合,掲示板の差別的な書き込みがされていますので,名誉権が侵害されていると考えられます。
そのため,今回の事例の場合,したらば掲示板の管理者やしたらば社への削除依頼,裁判所の仮処分によって,書き込みの削除を行うことができると考えられます。
このような手続で書き込みの削除を請求することが考えられるので,名誉棄損に当たるような内容の書き込みにお悩みの場合には,弁護士に相談することをお勧めします。
インターネットの書き込みでお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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誹謗中傷投稿の削除ーインターネット掲示板のスレッドや書込みの削除について解説
インターネットでの誹謗中傷への対策ーインターネット上で誹謗中傷を受けたら弁護士に相談してください

インターネットが誰でも使えるようになった一方で、インターネットを使った誹謗中傷が深刻になっています。この記事では、インターネット上で誹謗中傷を受けた場合の対応について解説します。
削除請求
インターネット上で誹謗中傷を受けた人は、削除請求をしていくことになります。
インターネットのSNSや掲示板サイトに、本人を特定できる名前などの個人情報が書き込まれ、悪口や根拠のない嘘を言われて誹謗中傷されることがあります。
インターネットでは誹謗中傷の記事が継続して残り続け、拡散していくことになります。
時間が経てば経つほど損害は大きくなるので、なるべく早く削除を実現しなければなりません。
名誉を違法に侵害された人は、人格権としての名誉権に基づき、侵害行為の差止めを求めることができます。
削除請求は、まずは任意交渉による方法を検討します。
メールやオンラインフォーム等で請求していきます。
拒否されて任意では削除が実現できないのであれば、裁判に訴えることになります。
削除請求の相手は、投稿者が特定できているのであれば、投稿者にします。
サイト管理者に対して削除請求をすることもありますが、素直には応じてくれないことも多いです。
弁護士が根拠を示して要求し、それでも拒否されたら裁判に訴えることになります。
発信者情報開示請求
誹謗中傷記事の投稿者を特定するためには、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」を使います。
通称、プロバイダ責任制限法といいます。
この法律は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利について定めるとともに、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続に関し必要な事項を定めるものとされています。
通常は、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続で進めていきます。
投稿者を特定するためには、まずはサイト管理者に対するIPアドレス等の開示を請求します。
次に、接続プロバイダに対して投稿者の住所氏名の開示請求をします。
この開示請求ですが、必ず成功するとは限りません。
接続プロバイダのログ保存期間は3~6か月程度であり、ログが残っていないという結果となることもあります。
接続プロバイダに対して開示請求がなされたら、プロバイダは連絡先を把握している発信者・投稿者に対して開示してよいかを意見照会します。
損害賠償請求
誹謗中傷をした投稿者が特定できたら、損害賠償請求を検討します。
まずは任意で請求し、合意とならなかったら裁判に訴えることになります。
和解となったら、二度と誹謗中書の記事を書きこまない事も含めて約束させることになります。
発信者情報開示請求で裁判手続きを利用していた場合は、その費用も請求できる場合もあります。
刑事事件化
権利侵害が名誉毀損罪や侮辱罪や業務妨害罪等の犯罪が成立するのであれば、刑事告訴をすることになります。
単に被害を警察に訴えただけでは、警察は積極的に動いてくれないこともあります。
ある程度情報を集めてから警察に説明した方が、スムーズに動いてくれることもあります。
ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所はインターネットトラブルの解決を通じて、皆様の利益と名誉を守り、安全な社会生活を実現させます。
インターネットトラブルの知識経験が豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元会計検査院官房審議官などの弁護士で組織する専門チームが、インターネットネットトラブルの事案に応じた解決を分析して対応していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は全国に支部があり、全国のネットワークを生かした迅速な対応が可能です。
迅速な対応が必要となりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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インターネット上の記事を削除したいーインターネットの情報に関する削除請求について解説
バイトテロをどうするか―SNSでの迷惑行為への対応について解説

飲食店内で容器を舐めるような迷惑行為の様子を撮影してネットに上げるといった事件が続発し、社会問題となりました。このような迷惑行為の存在自体お店のイメージを下げることになりますが、SNSで拡散されることで、お店のマイナスイメージがさらに広がり、社会的信用を失うことになりかねません。さらに、自社の従業員やアルバイトが、調理に使う具材にいたずらをするなどの迷惑行為の様子を撮影してネットに上げる、いわゆるバイトテロをされてしまえば、企業の社会的信用もさらに下がりかねません。
迷惑行為への対応
投稿者の特定、投稿の削除
まずは投稿者を特定し、問題の投稿を削除し、画像が広がるのを防ぐ必要があります。
自社の従業員やアルバイトがネットに挙げたのであれば、その者に指示をして削除させることができます。
しかし、来店客など自分のお店や会社に所属していない者が行った場合や一度ネットに挙げたものを他の者が転載してしまうと、そのようなことは困難になります。この場合、名誉毀損の投稿をされたとして、SNSの運営会社などに、発信者情報の開示を求めたり、削除を求めることが考えられます。任意で応じなかったときは、裁判手続きにより、迅速に行うことができます。
投稿者への対応
迷惑行為をSNSに挙げた者に対しては、民事責任の追及として、不法行為に基づく損害賠償請求が考えられます(民法第709条)。
投稿者が未成年者(18歳に満たない者。第4条)で自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかった場合、監督義務者である保護者に請求することになります(民法第712条・第714条第1項)。ただし、これは12歳前後までの年齢で問題になることであり、高校生などアルバイトをするような年齢では自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったとされることはまずありません。監督義務者に請求できない場合、本人に請求することになります。
損害については、不法行為と因果関係があるものについて認められます。
名誉毀損や侮辱を内容とする投稿により社会的評価が下がることが認められますが、損害賠償額は多くはありません。
容器を舐められたといった実害があるのであれば、店内のすべての容器を取り換えたり、消毒するなどの対策をする費用が生じます。このような、加害者の行為により生じた費用については損害といえ、損害賠償請求をすることが可能です。
迷惑行為を内容とする投稿では、これにより株価が下がり、企業が大きな打撃を受けたなど主張されますが、企業の株価は市場の状況など様々な要素の影響を受けます。加害者の行為が原因で株価が下がりそれによりどれだけの損害が生じたかを証明するのは難しいでしょう。
迷惑行為に対して成立する犯罪により追及する
迷惑行為が犯罪に該当する場合、これを犯罪として追及する方法があります。
名誉毀損罪、侮辱罪
公然と事実を摘示して人の名誉を棄損、すなわち人の社会的評価を低下させれば、名誉棄損罪(刑法第230条)が成立します。事実を適示しなくても、公然と人を侮辱すれば、侮辱罪(刑法第231条)が成立します。侮辱は、人の社会的評価を低下させるような内容を発することです。容器を舐める様子をSNSに挙げるようなことは、お店の衛生管理ができていない様子を社会に知らしめることになりますので、お店の社会的評価を低下させ名誉毀損となるでしょう。もっとも、自分たちで迷惑行為を行い、この様子を撮影してSNSに挙げる場合は自分達で名誉毀損行為を行っているので問題になりませんが、ネットで出回っている画像を他人が転載するような場合は、社会に警鐘を鳴らしているとみる余地もあるため、公共性や公益目的があるという可能性があり、その内容が真実であれば、犯罪とはなりません(刑法第230条の2)。
業務妨害罪
バイトテロのような迷惑行為については、偽計業務妨害罪(刑法第233条)又は威力業務妨害罪(刑法第234条)が成立する可能性があります。
威力業務妨害罪の「威力を用いて」とは、人の意思を制圧する勢力を用いることをいいます。偽計業務妨害罪の「偽計を用いて」とは、人を欺き、あるいは、人の錯誤・不知を利用したり、人を誘惑したり、計略や策略を用いるなど、「威力」以外の不正な手段を言うとされています。「威力」と「偽計」のいずれに該当するかを判断するにあたっては、行為の態様又は結果のいずれかが目に見えるものであれば「威力」に、目に見えないものであれば「偽計」になるとするのが一般的です。迷惑行為の様子をネットに上げることで、多くの人の目にさらされ、店舗内でそのような行為が行われているとか、自分が使った容器もそのようにされているのではないかと多くの人が不安に陥り意思が制圧されるといえます。したがって、「威力を用いて」に該当すると考えられます。
そして、迷惑行為がネットに上げられると、ネットで情報がさらに拡散し、利用者が不安に思って店に来なくなる可能性があります。また、調味料の容器を舐められたのであれば店内のすべての容器を入れ替えなければならないなど、迷惑行為に関係する備品を撤去するなどの対応が必要となり、通常の業務さえもできなくなります。これは業務の円滑かつ平穏な遂行そのものを妨害する行為であり、「業務を妨害した」といえます。
器物損壊罪
迷惑行為に当たり、お店に置いてある容器に手を付けるようなことをすれば、器物損壊罪(刑法第261条)が成立する可能性があります。
「他人の物を損壊」とは、物の効用を害することとされています。飲食店の容器を舐めるなどすれば、その容器はもはや客に提供することができなくなります。これは物の効用を害するに当たるといえ、器物損壊罪に該当する可能性があります。
まとめ
このように、SNSでの迷惑行為については、個人であれ企業であれ、様々な事情を考慮して対応していく必要があります。
SNSでの迷惑行為にお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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インターネット記事の削除-掲示板のスレッドや書込みの削除について解説
違法に動画をアップロードされたらーFC2動画に違法に動画をアップロードした投稿者に損害賠償

動画投稿サイトは数多くありますが、中には違法に動画がアップロードされることもあります。
ここでは、FC2動画にアップロードされた違法アップロード動画の投稿者に対し,損害賠償請求を行う方法について解説していきます。
【事例】
事実を基にしたフィクションです。
A社は動画撮影を行い,動画を販売する会社です。A社がFC2動画に違法アップロードされた動画が無いか調査していたところ,A社の販売する動画が違法にアップロードされているのが発見されました。
そのため,Aさんは,違法にアップロードした犯人を突き止め,損害賠償請求を考えています。
このような場合に,どのような手段でアップロードした人物を特定することができるのか,特定したとして,損害賠償請求を行うことができるのか解説します。
大きな流れとしては,アップロードした人物が誰だか分からないため,そのままでは,損害賠償請求を行うことはできません。
そのため,まず①発信者情報開示請求を行い,②著作権侵害を理由として損害賠償請求を行うという方法で,損害賠償請求を行っていきます。
発信者情報開示請求
まず,コンテンツプロバイダに対して,IPアドレスの開示請求を民事保全手続きの形で行って,次にアクセスプロバイダに対して,IPアドレスとタイムスタンプの開示請求を行います。
アップロードした犯人を特定する方法として,発信者情報開示請求を行うことが考えられます。
FC2の場合,アメリカのネバダ州に本社がある関係から,基本的には,アメリカのネバダ州法のディスカバリ制度を使う必要があります。
そのため,このディスカバリを利用して,アクセスプロバイダのIPアドレスを開示してから,日本国内のアクセスプロバイダに発信者情報開示請求を行い,違法に動画をアップロードした犯人を特定することになります。
このように,裁判を行って,発信者情報の開示請求が認められた場合に,ようやく,名誉毀損の投稿を行った人物の名前と,住所を特定することができます。
損害賠償請求
このように,発信者情報を特定した場合,損害賠償請求に進んでいきます。
損害賠償請求の段階に入ったら,どのような動画の投稿がされたのか,これによってどんな損害を被ったのかということについて審理し,金銭による損害の回復を行う段階に入っていきます。
特に,今回の事例の場合,著作権侵害が問題になっていることから,元の動画のどの部分が違法にアップロードされているのか,著作権は誰にあるのか,損害額はいくらなのか,損害額が算定できないとしても,利用許諾を出すとすればいくらで利用許諾をしていたのかを立証することになります。
今回の事例の場合
今回の事例の場合,まず,FC2 Incにディスカバリによる,IPアドレスとタイムスタンプの開示を求め,次に,NTTなどに対して,発信者情報開示請求を行います。
そこで,ようやく発信者がXと特定され,その人に対して,Aさんが著作権侵害を理由とする損害賠償請求を行って行き,金銭による損害の回復を行うということになります。
注意点
注意点としては,ログの保存期間の関係から,アクセスプロバイダに対して開示請求を行ったとしても開示が認められない可能性もあることや,発信者がXさんと特定されても,書き込みをしたのはXさんの家でインターネットを使ったYさんがアップロードしたと言われてしまい,損害賠償請求が認められないというケースもあります。
もし,インターネットのトラブルにあったため,書き込んだ人を何とかしたいということであれば,弁護士に依頼して,このような形で損害賠償請求を行っていくことになります。
違法に動画をアップロードされてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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動画を削除したいー虚偽情報や誹謗中傷を内容とする動画の削除について解説
インターネット上の記事を削除したいーインターネットの情報に関する削除請求について解説

インターネットの情報に関する削除請求権については、法律に一般的な根拠規定はありません。
しかし、名誉権侵害・プライバシー権侵害等に関しては、人格権侵害に対する差止請求権として、判例により認められております。
誰が被害者かを判断できることが要件となります。
被害者の名前が記載されていなければ、原則として削除請求は認められません。
しかし、記載事項から誰か特定できる可能性があれば、削除請求は認められます。
苗字だけ、下の名前だけでも、他の記載や個別具体的状況から特定できるのであれば、削除請求が認められる可能性があります。
SNS等のハンドルネームやアカウントネームでも、使用されている状況を考慮し、誰か特定できるのかが判断されることになります。
名誉権侵害を主張するには、記事が被害者の社会的評価を低下させているかが問題となります。
一般の閲覧者の普通の注意と閲覧の仕方により、社会的評価が低下したかを判断します。
しかし、事実を適時するのではなく、意見論評としての評価の範囲内であれば、削除請求が認められるのは難しいです。
意見論評だとしても、前提となる事実が真実でなければ、削除請求は認められる可能性があります。
プライバシーとは、他人に知られたくない私生活上の事実又は情報をみだりに公開されない利益又は権利をいいます。
私生活上の事実だけでなく、私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらも含まれます。
事実を公表する利益より公表されない利益が優越するかが判断されます。
事実の性質・内容、事実が伝達される範囲・具体的被害の程度、対象者の社会的地位・影響力、記事の目的・意義、記事が掲載された時の社会的状況・その後の変化、事実を記載する必要性、等を検討することになります。
削除請求の相手方としては、投稿者、サイト管理者、サーバー管理者、から選ぶことになります。
誰が書き込んだかが分かっているのであれば、投稿者に削除請求をします。
掲示板などに匿名投稿されている場合は、サイト管理者に削除請求をすることになります。
サイト管理者の情報は、サイトの利用規約や会社情報等に記載されています。
記載が無いときは、ドメイン名の登録情報をWHOISで調べます。
ドメイン名とは、インターネットで通信機器・サーバーを識別するための文字列の名前で、ウェブサイトを特定するための識別子のことで、URLの一部になっています。
WHOISとは、フーイズと読み、インターネットでドメイン名の所有者を検索するための通信規約で、WHOIS検索サイトで調べられます。
投稿者もサイト管理者も判明しなければ、サーバー管理者に対して削除請求します。
サイトに削除請求のためのフォームやメールがあれば、まずはこれで依頼します。
お問い合わせフォームやメールでの削除請求も考えられます。
メールはWHOIS検索サイトで調べて送ることもあります。
https://www.isplaw.jp/から送信防止措置依頼書の書式を入手し、サイト管理者に郵送やメールで送ることもあります。
ガイドラインで方法を確認して対応することになります。
サイト管理者が削除請求に応じなかった場合は、削除仮処分をすることになります。
削除仮処分命令申立書を裁判所に提出します。
裁判所で認められると、担保金を収め、削除決定が債務者に送達されます。
インターネットの削除請求は専門性が高く、被害者本人だけでは上手く行えないことが少なくありません。
ぜひ弁護士に相談してみてください。
インターネット上にある問題のある書き込みが継続して残り、拡散することで、時間が経過すればするほど被害が大きくなってきます。
お気軽に早めのご相談をしてください。
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