著作権法とは
著作権法は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し、著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しながら、著作者等の権利の保護を図り、文化の発展に寄与することを目的としています。
著作物を創作した著作者に一定の権利を認めることで、著作者の利益を保護するとともに、創作活動を促進しています。また、著作物を社会で利用するためのルールも定めています。
著作権は、著作物を創作した時点で原則として自動的に発生し、権利を取得するために登録などの手続をする必要はありません。(bunka.go.jp)
著作物とは
著作権法上、「著作物」とは、**「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」**をいいます。
ここでいう「思想又は感情」は、人間の精神活動によって生み出されたものであることを意味します。そのため、単なる事実やデータそのものは、原則として著作物には該当しません。
「創作的」とは、表現に創作者の個性が何らかの形で現れていることを意味します。誰が表現してもほぼ同じものになるようなありふれた表現や、単なる模倣などは、創作性を欠き、著作物として保護されない場合があります。
また、著作権法が保護するのは、思想やアイデアそのものではなく、それが具体的に表現されたものです。(bunka.go.jp)
著作物の例として、著作権法10条では、次のものが挙げられています。
- 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
- 音楽の著作物
- 舞踊又は無言劇の著作物
- 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
- 建築の著作物
- 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
- 映画の著作物
- 写真の著作物
- プログラムの著作物
なお、著作権法は、これらを著作物の例として挙げているものであり、例示された種類に該当すれば当然に著作物となるという意味ではありません。著作物に該当するためには、著作権法上の著作物の要件を満たす必要があります。
また、事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、著作物には該当しません。
ただし、事実を伝える文章であっても、その文章表現に創作性が認められる場合には、著作物として保護される可能性があります。
著作者とは
著作者とは、著作物を創作した者をいいます。
著作物の原作品に、又は著作物を公衆に提供・提示する際に、実名や、周知の変名などが著作者名として通常の方法で表示されている場合には、その者が著作者と推定されます。
原則として、実際に創作行為を行った人が著作者です。そのため、単に制作費を負担した者や、制作を依頼した者が当然に著作者になるわけではありません。
もっとも、法律には「職務著作」と呼ばれる例外があります。
法人その他の使用者の発意に基づき、その法人等の業務に従事する者が職務上作成した著作物については、一定の要件を満たす場合、法人等が著作者となります。
具体的には、法人等の従業者が職務上作成した著作物について、法人等が自己の著作の名義の下に公表するものであること、作成時の契約や勤務規則等に別段の定めがないことなど、著作権法15条が定める要件を満たす必要があります。
なお、**プログラムの著作物については、公表の有無や名義に関する要件が一部異なります。**そのため、プログラムについては一般の職務著作とは別に著作権法15条2項の要件を確認する必要があります。
著作権の発生
著作者は、著作物を創作した時点で、著作権及び著作者人格権を享有します。
著作権及び著作者人格権の享有には、登録などの方式を必要としません。
つまり、著作物を創作すると、原則としてその時点で法律上の権利が自動的に発生します。
著作者人格権
著作者人格権とは、著作者の人格的利益を保護する権利です。著作権とは異なり、著作者人格権は譲渡することができません。
著作者人格権には、主に公表権、氏名表示権、同一性保持権があります。(bunka.go.jp)
公表権
著作者は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供又は提示するかどうかを決定する公表権を有します。
また、著作物を原著作物とする二次的著作物についても、一定の場合に公表権が認められます。
氏名表示権
著作者は、著作物の原作品に、又は著作物を公衆に提供・提示する際に、実名若しくは変名を著作者名として表示するか、又は著作者名を表示しないこととする氏名表示権を有します。
二次的著作物についても、原著作物の著作者名の表示に関して一定の権利が認められています。
同一性保持権
著作者は、その著作物及びその題号について、意に反する変更、切除その他の改変を受けない権利である同一性保持権を有します。
ただし、著作物の性質や利用目的、態様などによっては、著作権法20条2項に定められた例外があります。
著作権
著作権は、著作物を利用することについて著作者が有する財産的な権利です。
著作者には、著作物について次のような権利が認められています。(bunka.go.jp)
複製権
著作者は、その著作物を複製する権利を専有します。
コピー、印刷、録音、録画など、著作物を有形的に再製する行為が典型例です。
上演権・演奏権
著作者は、その著作物を公衆に直接見せ、又は聞かせることを目的として、上演又は演奏する権利を専有します。
上映権
著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有します。
公衆送信権
著作者は、その著作物について公衆送信を行う権利を専有します。
インターネット上に著作物をアップロードして不特定又は多数の人が閲覧できる状態にする行為などが、これに関係します。
口述権
著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有します。
展示権
著作者は、美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物を、その原作品により公に展示する権利を専有します。
頒布権
著作者は、映画の著作物について、その複製物を公衆に譲渡又は貸与するなどして頒布する権利を専有します。
譲渡権
著作者は、映画の著作物を除く著作物について、その原作品又は複製物を公衆に譲渡することにより提供する権利を専有します。
貸与権
著作者は、映画の著作物を除く著作物について、その複製物を公衆に貸与することにより提供する権利を専有します。
翻訳権・翻案権等
著作者は、その著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化するなどして、二次的著作物を創作する権利を専有します。
二次的著作物の利用に関する原著作者の権利
二次的著作物とは、原著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化するなどして創作した著作物をいいます。
例えば、小説を映画化した場合、原作の小説とは別に映画という二次的著作物が成立することがあります。
この場合、二次的著作物の著作者には、その二次的著作物について著作権が認められます。
一方、原著作物の著作者も、二次的著作物の利用について、二次的著作物の著作者が有するものと同じ種類の権利を有します。
そのため、二次的著作物を利用する際には、二次的著作物の著作者だけでなく、原著作物の著作者の権利についても確認する必要があります。
