※2025年6月1日より、改正刑法に基づき懲役刑および禁錮刑は「拘禁刑」に一本化されました。当ページでは法改正に基づき「拘禁刑」と表記していますが、旧制度や過去の事件に関連する場合は「懲役」「禁錮」の表現も含まれます。
出会い系サイト規制法とは何か
出会い系サイト規制法とは、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」のことです。
この法律は、インターネット異性紹介事業を利用して児童を性交等の相手方となるように誘引する行為などを禁止するとともに、インターネット異性紹介事業について必要な規制を行うことで、出会い系サイトの利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、児童の健全な育成に資することを目的としています。ここでいう「児童」とは、18歳未満の者をいいます。
そのため、出会い系サイト事業者には、都道府県公安委員会への届出、利用者が児童でないことの確認、禁止誘引行為に係る書き込みを削除するなどの防止措置といった義務が課されています。
出会い系サイトを立ち上げるにあたって、事業者は何をしなければならないか
出会い系サイト、すなわち法律上の「インターネット異性紹介事業」を行う事業者には、主に次のような義務があります。
- 都道府県公安委員会への届出(第7条)
- 児童でないことの確認(第11条)
- 禁止誘引行為などに関する防止措置(第12条)
- そのほか、児童による利用の禁止の明示などの義務(第10条)
(1)都道府県公安委員会への届出義務
出会い系サイト規制法第7条1項では、インターネット異性紹介事業を開始しようとする者に対し、氏名・名称、住所、事業に使用する呼称、事務所の所在地・連絡先、法人の役員に関する事項、児童でないことの確認の実施方法その他の業務の実施方法に関する事項などを、公安委員会に届け出ることを求めています。
この届出制度により、公安委員会がインターネット異性紹介事業者を把握し、必要な監督を行えるようになっています。
(2)児童でないことの確認
出会い系サイト事業者は、異性交際を希望する者について、児童でないことを確認する必要があります(第11条)。
具体的な確認方法については、運転免許証などの年齢・生年月日を証明する書面の提示等、マイナンバーカードを利用して生年月日に関する情報の送信を受ける方法、クレジットカードの使用など、児童が通常利用できない方法によって料金を支払うことについて同意を受ける方法などが定められています。
(3)禁止誘引行為に関する防止措置
出会い系サイト事業者は、サイト上で禁止誘引行為が行われていることを知った場合、当該行為に係る情報を公衆が閲覧できないようにするため、速やかに必要な措置を講じなければなりません(第12条1項)。典型的には、禁止誘引行為に係る書き込みを削除することなどがこれに当たります。
なお、第12条の義務は、事業者が禁止誘引行為を認知した場合に生じるものであり、事業者にサイト上のすべての書き込みを常時監視する義務まで課しているわけではありません。
これらの義務に違反した場合にはどうなるか
出会い系サイト規制法に違反した場合、違反行為の内容に応じて、刑事罰のほか、公安委員会による指示や事業停止命令などの行政上の措置を受ける可能性があります。
例えば、公安委員会が第13条に基づく指示をしたにもかかわらず、これに違反した場合には、第32条3号により、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科されます。
また、第7条1項の届出をしないでインターネット異性紹介事業を行った場合も、第32条1号により、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象となります。
さらに、第14条による事業停止命令に違反した場合には、第31条により、1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科となります。
なお、公安委員会による指示や事業停止命令は、すべての違反について当然に行われるものではなく、法律に定められた要件を満たす場合に行われます。第13条は、事業者の法令違反があり、その違反行為が児童の健全な育成に障害を及ぼすおそれがある場合に、公安委員会が必要な指示をすることができると定めています。
出会い系サイト規制法に違反した場合の処分の見通し
出会い系サイト規制法違反については、違反行為の内容によって、刑事事件として捜査され、逮捕・起訴される可能性があります。また、刑事罰とは別に、公安委員会から指示を受けたり、事業停止命令などの行政処分を受けたりする可能性もあります。
もっとも、実際に逮捕されるか、起訴されるか、どのような刑事処分となるかは、違反行為の内容、違反の程度、事業者の対応、証拠関係などによって異なります。
そのため、「出会い系サイト規制法違反なら必ず罰金になる」「いきなり実刑になることはない」などと一律に判断することはできません。事業者として法令違反を指摘された場合には、刑事責任だけでなく、公安委員会による行政処分の可能性も踏まえて対応する必要があります。
