インターネットを通じて会社のコンピュータに侵入され、会社の営業秘密が不正に盗まれたりすることがあります。
不正に盗んだりした人から営業秘密を譲り受け、利用してしまうこともあります。
営業秘密を不正に取得されたりする行為に対して、不正競争防止法により規制されております。
不正競争防止法は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的としております。
不正競争として、営業秘密を不正に取得する行為が以下のように規定されております。
- 窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する営業秘密不正取得行為
又は営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為 - その営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
- その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
- 営業秘密を保有する事業者である営業秘密保有者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為
- その営業秘密について営業秘密不正開示行為であること若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
- その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正開示行為があったこと若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
- 上記のうち技術上の秘密を使用する不正使用行為により生じた物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいいます。
営業秘密と言えるためには、有用性、秘密管理性、非公知性が必要になります。
有用性とは、事業活動に利用されて役立つものであることです。
秘密管理性とは、秘密として扱う意思が示されて管理されていることをいいます。
非公知性とは、保有者の管理下以外では一般に入手できないことをいいます。
不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます。
その侵害の停止又は予防を請求するに際し、侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができます。
故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。
損害額の立証は難しいことから、損害額を推定する規定が多く定められております。
故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した者に対しては、裁判所は、その営業上の信用を害された者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、その者の営業上の信用を回復するのに必要な措置を命ずることができます。
営業秘密を侵害する不正競争を行った者に対して、多くの刑罰が定められております。
最大で10年以下の懲役若しくは2,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科します。