違法ダウンロードに関する罰則規定
著作権法119条3項1号によれば、「録音録画有償著作物等の著作権を侵害する自動公衆送信または著作隣接権を侵害する送信可能化にかかる自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を自ら有償著作物等指定侵害録音録画であることを知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害」した場合に、著作権法の音楽、映画の違法ダウンロードの罪が成立するとされます。
また、著作権法119条3項2号によれば、「私的使用の目的をもって、著作物であって有償で公衆に提供され、又は提示されているものの著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の複製を、自ら有償著作物特定侵害複製であることを知りながら自ら行って著作権を侵害する行為を継続的または反復して行った」場合に、著作権法の違法ダウンロードの罪が成立するとされます。
これらの規定は非常にわかりにくいのですが、平たく言えば、音楽、映像の違法ダウンロードについては、「違法アップロードサイトから、違法アップロードサイトであることを知りながら音楽や映像をダウンロードしたら犯罪になる」ということです。
その他の著作物(画像、漫画)の違法ダウンロードについては、「違法アップロードサイトから、違法アップロードサイトであることを知りながら、著作物を何回も繰り返してダウンロードしたら犯罪になる」ということです。
また、119条3項2号の対象となる著作物からは、二次的著作物が除かれています。このように、二次的著作物が除かれているのは、正規版の漫画やイラストの海賊版を取り締まることを目的としているためです。
複製であっても、複製されたのが著作物の一部であるなどして著作権侵害の程度が軽微な場合も除かれています。これも軽微な著作権侵害については処罰しないためです。
この119条3項2号についてこのように限定的な規定ぶりとなったのは、海賊版対策を行うために、違法ダウンロードを行う利用者の処罰が必要である一方で、国民の創作活動やインターネット上の行動を委縮させないようにすることを考慮したためです。
そのため、このように非常に悪質な場合が処罰される規定となっています。
また、著作権法119条4項、5項によって、過失、重過失による処罰は否定されています。そのため、この119条3項の罪は、故意犯のみが処罰されます。
刑罰の重さ
違法ダウンロードの罪に関しての法定刑は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金または、この併科とされています。