インターネット取引では、事業者は、商品・サービスを売りたいがために、過剰で不当な表示をして、一般消費者にアピールすることがあります。
これに対して、一般消費者は正常な判断ができず、商品・サービスを購入してしまうことがあります。
不当表示について、一般消費者が商品・サービスなどを選ぶ過程で、不当な表示などに惑わされないように、景品表示法で規制されております。
景品表示法は、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。
この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的としております。
表示とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であって、次に掲げるものをいいます。
一 商品、容器又は包装による広告その他の表示及びこれらに添付した物による広告その他の表示
二 見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告その他の表示(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告その他の表示(電話によるものを含む。)
三 ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーン、その他これらに類似する物による広告及び陳列物又は実演による広告
四 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)、映写、演劇又は電光による広告
五 情報処理の用に供する機器による広告その他の表示(インターネット、パソコン通信等によるものを含む。)
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、優良誤認表示をしてはなりません。
優良誤認表示とは、商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるものをいいます。
ここにいう著しくとは、社会一般に許容されている程度を超えていることをいいます。
許容されるかどうかは、一般消費者が、その誤認がなければ誘引されることが通常ないであろうと認められるかどうかで判断されます。
商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示の例として、国産であると表示していたが実際は外国産だった、等があります。
商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示の例として、他社には同じ性能がないと偽ったり、他社より内容量が多いと偽ったりすることがあります。
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、有利誤認表示をしてはなりません。
有利誤認表示とは、商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるものをいいます。
期間限定のキャンペーンでお得に契約できると示しながら、実際は期間限定でなく通年で行われていたり、競合他社よりも安いと示しながら、実際には高かったり、する場合が当てはまります。
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、指定表示に該当する表示をしてはなりません。
指定表示とは、優良誤認表示・有利誤認表示以外で、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するものをいいます。
具体的には、以下の6つです。
- 無果汁の清涼飲料水等についての表示
- 商品の原産国に関する不当な表示
- 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
- 不動産のおとり広告に関する表示
- おとり広告に関する表示
- 有料老人ホームに関する不当な表示