国は、不当表示が行われている情報を入手したら、調査を行います。
不利益処分を行う前提として、弁明の機会の付与が行われます。
優良誤認表示に対して、不実証広告規制が行われております。
内閣総理大臣は、事業者がした表示が優良誤認表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。
この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、優良誤認表示に該当する表示とみなされます。
健康食品の効能や、電化製品の性能などで、いい加減な数字を示して一般消費者を惑わしているケースが多いため、数字の客観的な根拠資料を示させることになります。
不当表示に対しては、措置命令が行われます。
内閣総理大臣は、不当表示があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができます。
その命令は、当該違反行為が既になくなっている場合においても、することができます。
実際には、景品表示法の管轄がある消費者庁が対応します。
都道府県知事によって行われることもあります。
措置命令に違反した者は、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されます。
情状により、懲役及び罰金を併科することができます。
同時に法人等に対して3億円以下の罰金刑が科される可能性があります。
措置命令に不服がある事業者は、行政不服審査法に基づく審査請求や行政事件訴訟法に基づく取消訴訟をすることになります。
優良誤認表示・有利誤認表示に対して、課徴金納付命令がなされることがあります。
事業者が、優良誤認表示・有利誤認表示をしたときは、内閣総理大臣は、当該事業者に対し、当該課徴金対象行為に係る課徴金対象期間に取引をした当該課徴金対象行為に係る商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に100分の3を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければなりません。
ただし、当該事業者が当該課徴金対象行為をした期間を通じて当該課徴金対象行為に係る表示が優良誤認表示・有利誤認表示に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠った者でないと認められるとき、又はその額が150万円未満であるときは、その納付を命ずることができません。
課徴金対象期間は最長3年となります。
また、所定の手続きにより内閣総理大臣に報告したり消費者に返金手続きを行ったら、課徴金の減額・免除となります。
最近、法改正により、確約手続ができました。
令和7年6月1日から施行されます。
国から不当表示の疑いがある旨の通知を受けた者は、疑いの理由となった行為及びその影響を是正するために必要な措置を自ら策定し、実施しようとするときは、是正措置計画を作成し、これを当該通知を受けた日から60日以内に内閣総理大臣に提出して、その認定を申請することができます。
認定が認められたら、措置命令や課徴金納付命令の適用を受けないことになります。
是正措置計画には、是正措置の内容、是正措置の実施期限、その他内閣府令で定める事項を記載しなければなりません。
内閣総理大臣は、認定の申請があった場合において、その是正措置計画が、是正措置が疑いの理由となった行為及びその影響を是正するために十分なものであること、是正措置が確実に実施されると見込まれるものであること、に適合すると認めるときは、その認定をすることになります。
認定後も、是正措置計画に従って是正措置が実施されていないと認めるとき、虚偽又は不正の事実に基づいて当該認定を受けたことが判明したときは、認定は取り消されます。
消費者契約法に規定する適格消費者団体は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して優良誤認表示・有利誤認表示を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が優良誤認表示・有利誤認表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができます。
適格消費者団体は、事業者が現にする表示が優良誤認表示・有利誤認表示に規定する表示に該当すると疑うに足りる相当な理由があるときは、当該事業者に対し、その理由を示して、当該事業者のする表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を開示するよう要請することができます。
事業者は、資料に営業秘密が含まれる場合その他の正当な理由がある場合を除き、適格消費者団体からの資料開示要請に応じるよう努めなければなりません。