生成AIで顔写真を勝手に加工されたら?ディープフェイクの法的責任と対処法

AI

近年、生成AIの技術は目覚ましい進化を遂げています。誰でも手軽にクリエイティブな画像を作れるようになった一方で、その技術が悪用されるケースが急増しています。

特に深刻なのが、「ディープフェイク(Deepfake)」による被害です。

ディープフェイクとは、AI技術を用いて、偽の画像や映像、音声等を生成する技術をいいます。「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせて作られた用語です。

SNSに投稿していた自分の顔写真を勝手に使われ、わいせつな画像や、身に覚えのない行動をしている動画に加工されて拡散されてしまったら……。

今回は、もし自分や家族がディープフェイクの被害に遭ってしまった場合、加害者にどのような犯罪が成立するのか、そして被害者はどのような法的手段を取れるのかについて解説します。

ディープフェイク画像作成・拡散は「犯罪」になり得ます

AIで作った虚偽の画像や動画を拡散することは、その内容や使い方によっては犯罪になる可能性があります。主に以下の罪に問われる可能性があります。

① 名誉毀損罪(刑法230条)

「この人はわいせつな行為や反社会的な行為をする人だ」と誤解させるような画像、動画が拡散され、社会的評価を低下させられた場合、名誉毀損罪が成立する可能性があります。

名誉毀損罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で定められており、決して軽い犯罪ではありません。

② わいせつ電磁的記録等送信頒布罪(刑法175条)

いわゆる「アイコラ(アイドル・コラージュ)」のように、顔写真をわいせつな画像と合成するケースなどがこれに該当します。

実在の人物を使った場合に限りませんが、被害者の顔を使ってわいせつな画像を作成し、不特定多数が見られる状態にすることは、わいせつ物の頒布(配布)にあたります。

③ その他

侮辱罪(刑法231条)や、著作権法違反も問題となり得ます。

民事上の責任(損害賠償・慰謝料)

刑事罰とは別に、被害者は加害者に対して民事上の責任を追及できます。つまり、慰謝料などの損害賠償請求です。

肖像権(プライバシー)の侵害

人は誰でも、無断で容貌を撮影・使用されない権利を持っています。許可なく顔写真を利用し、AIで加工する行為は、肖像権やプライバシーの侵害となる可能性があります。

名誉権の侵害

捏造された画像によって社会的評価が下がったこと、これによる精神的苦痛等の損害賠償を請求することが考えられます。

被害に遭ってしまったら

では、実際に被害を見つけた場合、具体的にどう動けばよいのでしょうか。焦りや怒りでパニックになるかもしれませんが、冷静に対処することが重要です。

まずは証拠の保全が必要です。

投稿された画像や動画そのもの、それらのURL等、ご相談にあたっては弁護士に、裁判のときには裁判所に、第三者が確認できる資料が必要になります。「見るのも嫌だ」というお気持ちになると思いますが、法的措置をとるには「証拠」が必要です。

その上で、ひとりで抱え込まず、専門家にご相談ください。

AIによる画像生成は新しい技術ですが、現在の法律や裁判実務でも、ディープフェイク被害に対抗する手段は十分にあります。

弁護士にご相談いただければ、被害者の方のご希望に合わせて、法的手段を検討し、代理人として手続を進めることができます。

生成AIによるディープフェイク被害に遭われた際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回相談は無料ですので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

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