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プライバシー侵害

2025-06-29

インターネット上でプライバシーを侵害される書き込みをされて被害を受けることがあります。

このプライバシー侵害に対して、削除や損害賠償の請求をすることになります。

しかし、具体的にプライバシー侵害として認められるかは総合的に判断されることになります。

プライバシー侵害について東京地方裁判所昭和39年9月28日判決は、「プライバシーの侵害に対し法的な救済が与えられるためには、公開された内容が(イ)私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること、(ロ)一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立つた場合公開を欲しないであろうと認められることがらであること、換言すれば一般人の感覚を基準として公開されることによつて心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められることがらであること、(ハ)一般の人々に未だ知られていないことがらであることを必要とし、このような公開によつて当該私人が実際に不快、不安の念を覚えたことを必要とする」と示しております。

しかし、特に政治家等の公人については、その適否や資質を判断する材料として提供されたときは、表現の内容や方法がその目的に照らし不当でないときは、違法性が無いとされます。プライバシー侵害は成立しにくくなります。

著名人・芸能人については、一定の範囲で社会の正当な関心事とされプライバシーを放棄していると解され、一般の人よりもプライバシー侵害は成立しにくくなります。

氏名・住所・電話番号等の個人情報は、インターネット上で広く開示されると悪用されて生活の平穏を害されることから、プライバシーとして守られております。

また、匿名・別名で活動して本名を明らかにしないであれば、勝手に本名を開示されない利益がプライバシーとして守られております。

個人情報の保護に関する法律では、要配慮個人情報として、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報を規定しております。

このような情報もプライバシーとして守られております。

しかし、プライバシーの侵害として認められるかは、そのときの状況を総合的に考慮して判断されることになります。

犯罪事実については、最高裁が、「ある者が刑事事件につき被疑者とされ、さらには被告人として公訴を提起されて判決を受け、とりわけ有罪判決を受け、服役したという事実は、その者の名誉あるいは信用に直接にかかわる事項であるから、その者は、みだりに右の前科等にかかわる事実を公表されないことにつき、法的保護に値する利益を有するものというべきである」、「そして、その者が有罪判決を受けた後あるいは服役を終えた後においては、一市民として社会に復帰することが期待されるのであるから、その者は、前科等にかかわる事実の公表によって、新しく形成している社会生活の平穏を害されその更生を妨げられない利益を有するというべきである」と示して、プライバシーとして守られていることを示しております。

もっとも、「ある者の前科等にかかわる事実は、他面、それが刑事事件ないし刑事裁判という社会一般の関心あるいは批判の対象となるべき事項にかかわるものであるから、事件それ自体を公表することに歴史的又は社会的な意義が認められるような場合には、事件の当事者についても、その実名を明らかにすることが許されないとはいえない。」「要するに、前科等にかかわる事実については、これを公表されない利益が法的保護に値する場合があると同時に、その公表が許されるべき場合もあるのであって、ある者の前科等にかかわる事実を実名を使用して著作物で公表したことが不法行為を構成するか否かは、その者のその後の生活状況のみならず、事件それ自体の歴史的又は社会的な意義、その当事者の重要性、その者の社会的活動及びその影響力について、その著作物の目的、性格等に照らした実名使用の意義及び必要性をも併せて判断すべきもので、その結果、前科等にかかわる事実を公表されない法的利益が優越するとされる場合には、その公表によって被った精神的苦痛の賠償を求めることができるものといわなければならない。」とも示しております。

プライバシー侵害の被害を受けた方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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SNS上の投稿の削除ーインスタグラムに投稿された投稿の削除について解説

2025-02-19

インスタグラムなど様々なSNSが展開され、様々な人が情報を投稿できるようになりました。その一方で、他人のプライバシーに関する情報も安易に拡散される可能性が大きくなっています。

【事例】
Aさんは,お笑い芸人として,テレビに出演している芸能人です。
ある日,インスタグラムを見ていたところ,「Aさんに熱愛発覚!?」とタイトルが付けられ,彼女と自宅付近を歩いている様子が撮影されている写真を発見しました。
Aさんに彼女がいることは事実ですが,Aさんの顔と,プライベートの様子が撮影されているので,Aさんとしても,その点が気になっているようです。
写真の中身としても,Aさんと彼女の様子が大写しになっており,どちらにもモザイクがかけられていません。

このようなインスタグラムの投稿が見つかった場合に,投稿の削除をすることができるか説明します。

インスタグラムの投稿を削除する方法としては,
①インスタグラムで報告を行い,削除を求める方法と,②裁判所の仮処分によって,投稿の削除を求める方法があります。
以下,それらの方法について解説します。

インスタグラムで報告を行う方法
①インスタグラムの投稿からも直接報告できるのですが,インスタグラムの報告フォーム上,名誉権侵害やプライバシー権侵害についての項目はありません。強いて言えば,「いじめまたは嫌がらせ」の項目がこれに該当することになります。
そのため,インスタグラムの問題の投稿について,「…」を押し,「報告する」を押し,「いじめまたは嫌がらせ」を選択することによって,対応することになります。
②しかし,①の方法では,なぜ削除されるべきなのか明らかではないため,メタ社が対応しない可能性があります。そのため,インスタグラムのページの下部にある「利用規約」のページから,Instagramの「ヘルプセンター」のページにアクセスします。
③「ヘルプセンター」の「プライバシー,セキュリティ,報告」から「報告するには」を選択して,「Instagramでの嫌がらせやいじめの報告」を選択します。
④その中に青字で「報告」と書かれているところを押します。すると,インスタグラムのヘルプセンターのページが表れるので,アカウントを持っているかどうか,報告しようとしているコンテンツの閲覧がブロックされているか聞かれるので,入力します。
⑤報告したい投稿のリンクを貼り,その投稿が不適切な理由として,プライバシー権を侵害しているなどの詳細な理由を書き,報告し,削除することを求めることになります。
(なお,「Instagramのアカウントを持っていますか」に「はい」と答え,「報告しようとしているコンテンツの閲覧がブロックされていますか」に「いいえ」と答えると,直接投稿を報告するよう促されてしまうので,「Instagramのアカウントを持っていますか」という質問に対しては「いいえ」と答えることをお勧めします。)

裁判所の仮処分によって,投稿の削除を求める方法
インスタグラムの運営会社であるメタ社に対して,投稿削除の仮処分を行うことが考えられます。
インスタグラムの運営会社はアメリカ合衆国のカリフォルニア州に本社を置く会社ですが,日本にも法人があること,損害が日本で発生していると考えられることから,日本の裁判所に訴えを提起することによっても裁判を行うことができます。
そのため,メタ社を被申立人として,どのような投稿から,権利侵害が行われたのか特定して主張し,権利侵害があると大まかに認められれば,通常の裁判より簡易・迅速に投稿された書き込みの削除を行うことができます。

今回のAさんの事例の場合,インスタグラムにプライベートの情報である彼女といる状態の写真が投稿されていること,しかも,顔も隠さずに投稿されていることから,プライバシー権,肖像権が侵害されていることを理由として,インスタグラムで報告を行ったり,メタ社を被告として,投稿削除の仮処分を求めることになると考えられます。

このような手続で投稿の削除を行うことができますので,プライバシー権侵害,肖像権侵害でお困りの方は,弁護士に相談することをお勧めします。

SNSへの投稿でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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インターネット上での名誉毀損に対する損害賠償請求

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