うっかりクリック・誤入力

一度クリックしただけで契約は成立するのか

このような問題を扱う法律として、「電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律」というものがあります。

民法の原則からすると、意思表示の合致があった場合、すなわち、契約することに「合意する」と一度言った場合に契約が成立することになるのですが、この法律によれば、インターネットサイトで契約を締結する場合、そうはなりません。

電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律3条によれば、「電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申し込み若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合又はその消費者から当該事業者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思表示があった場合」には操作ミスを理由に契約の取り消しを行うことができないと規定されています。

反対に言えば、確認画面が表示されない場合、操作ミスを理由に契約を取り消すことができると考えられています。

そのため、一度クリックした場合で、それが操作ミスである場合にはこの電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律を使って、契約を取り消すことができます。ワンクリック詐欺にも有効ですが、うっかり一度のクリックで契約が成立してしまった場合にも有効です。

確認画面までクリックしてしまった場合

通常のネット通販やECサイトであれば、商品を購入するボタンを押した後、確認画面が表示されます。にもかかわらず、この確認画面で契約を了承した場合には、電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律3条の契約取り消しを主張することは出来ません。

というのも、確認画面まで了承するというのは、さすがにうっかりクリックではないと考えられているためです。

そのため、この場合には、すぐに契約の解約の連絡を行うことが考えられるのですが、オンラインでやり取りが完了する商品やサービスである場合、すぐに商品やサービスが引き渡されるため、解約が出来なくなります。

特定商取引法による解除

特定商取引法15条の4第1項によれば、通信販売における契約の申し込みの意思表示についてクーリングオフを主張できる場合があるとされています。

しかし、この規定によれば、クーリングオフできる場合としては、通信販売業者が誤認させるような表示をしていた場合や、不実の説明などの通信販売において表示される商品がどのようなものであるかを誤認させるような表示をした場合であると考えられるため、うっかりクリックになるような場面で主張することは出来ません。

うっかりクリックに対する対処法

電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律3条によれば、一度のうっかりクリックについては、契約を取り消すことができると規定されていることから、一度のうっかりクリックで契約が成立したことにされた場合には、この電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律に基づく主張を行い、契約の取消の主張をしましょう。

また、このように電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律3条があることから、たいていのインターネットのショッピングサイトでは、確認画面が表示され、その確認画面で承諾するよう求められます。

この確認画面についてまで承諾した場合には、もはやうっかりクリックという主張をすることは出来ません。そのため、二度目に表示された確認画面についてはその契約しようとする内容をよく見ながら、承諾しましょう。

消費者に優しいインターネットショッピングサイトであれば、この二度目の確認画面について承諾しても、解約手続きを経ることによって契約を解除することができます。そのため、二度もうっかりクリックをした場合には、この解約手続きが出来ないか考えましょう。

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