生成AIと著作権の問題~著作権侵害や生成物の権利を解説~

AI

コンテンツビジネスが拡大する中で、ユーザーへの訴求のために、なじみ深いテーマを用いることがよくみられます。
しかし、これは、一歩間違えれば、他人の著作権等の知的財産権侵害することになりかねません。特に近年では、AI技術の発達は目覚ましいものがあり、これにより、より効率的で迅速なコンテンツの利用が見込まれますが、AI技術の安易な利用が、他者の権利を侵害することもあります。

ここでは、ネット上での知的財産権上の問題について解説します。

著作権侵害

他人の著作物を勝手に利用した場合、著作権の侵害となります。他人の著作物そのものを使わなくても、そのものと誤解しかねないような画像等を使うことも著作権の侵害となります。
著作権の侵害となるかどうかは、「類似性」「依拠性」により判断されます。

類似性」とは、「表現上の本質的な特徴を直接感得できる」かどうかにより判断されます。作風や画風が同じという程度では類似性があるとはいえません。
依拠性」とは、類似性のある物を自己の作品中に用いているといえるものであることが必要です。

権利制限規定

著作権者の許諾が不要な権利制限規定に該当する場合、著作権の侵害となりません。
権利制限規定とは、一定の公共の目的があり、利用を認めても著作権者への影響が大きくないため、著作権者が著作権を主張できないこととした規定です。

教科用図書等への記載(著作権法第33条)や立法又は行政の目的のための内部資料としての複製等(同法第42条)等があります。
生成AIの学習も権利制限規定に該当する行為で、著作権者の許諾なく行うことができます(同法第30条の4。著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)。

権利制限規定に該当しない場合、著作者の許諾がなければ、著作権侵害となります。

著作権侵害以外の問題

利用そのものが著作権の侵害ではなくても、著作者人格権(公表権(第18条)、氏名表示権(第19条第1項)、同一性保持権(第20条第1項))を害することはできません。
特に、生成AIの場合、同一性保持権が問題になると考えられます。

また、「似たようなキャラクターを使っている」と消費者に受取られてしまうと、企業のモラルなどに疑いを抱かれ、企業価値の毀損に繋がりかねません。

生成AIの問題

生成AIとは

生成AIとは、データから学習したパターンや関係性を活用し、文章、画像、音声などを生成するAIです。

従来のAIは学習した中からあらかじめ決められた範囲内の行為を自動化することが主な機能でしたが、生成AIは、深層学習(ディープラーニング)により学習したデータの特徴や関係性を基にして、新たなコンテンツを生成できることが重要な機能です。
今や、動画を含めた画像や、音声まで生成することができます。

生成AIでは著作権がない

生成AIを使って作成した物は、基本的に著作権は生じません。

著作権が生じる著作物とは、人の思想又は感情を創作的に表現したものです。
生成AIが自律的に作成したものは、このような人の思想又は感情を創作的に表現したものとはいえず、著作物に該当しないという考えが主流です。作成に当たっては、プロンプトという指示に従って作成されますが、生成物の方向性を指示するものにすぎず、思想又は感情を創作的に表現したとまではいえません。

もっとも、単に簡単な指示をしただけではなく、人の創作意図をもって、人が創作的寄与と認められる行為があれば、生成AIによる生成物も著作物となる可能性があります。
創作意図とは、思想又は感情を、ある結果物として表現しようとする意図を指します。創作的寄与があったといえるかどうかは、生成AIを使用する過程を総合的に評価して判断されます。単に指示をしたりパラメーターを設定するだけでなく、対話形式で繰り返し修正を行うなどしたのであれば、創作的寄与が認められる可能性があります。

また、全体に著作権が認められず、一部だけに認められる可能性もあります。生成AIで生成した作品に手動で手直しをした場合、その部分にだけ著作権が認められるという事態もあり得ます。

このように、生成AIで生成した物に著作権が認められることは容易ではありません。
逆に、生成AIで生成した物が既存のイラストやアニメーションに似た物を出すと、前述の著作権侵害の問題が生じます。

まとめ

このように、コンテンツを利用するにあたっては、知的財産権、特に著作権について様々な問題があります。

コンテンツの利用について不安がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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著作権法

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