スポーツ選手への誹謗中傷は犯罪?刑事責任・損害賠償について弁護士が解説

競技場

オリンピックやその他の国際スポーツ大会が行われると、日本全体で大きく盛り上がります。
その反動として、スポーツ選手への誹謗中傷も大きな問題となっております。
結果が出なかったり、怪我で欠場した選手に対し、SNSのDM等で批判のメッセージが大量に送られることがあります。

スポーツについて詳しくない人が、選手は日本を代表しているのだから批判を受ける義務がある、等の歪んで間違った認識で安易に批判をしているケースがあります。
人生をかけて参加している選手へのリスペクトを欠いた言動はマイナスでしかありません。
歪んだ正義感は、選手の足を引っ張る結果になるだけです。
しかし残念ながら、このような道徳やマナーを訴えても、全く相手にせずに誹謗中傷を続ける人はいます。
中には精神的な問題を抱えている人もおり、説得しても無駄に終わります。
このような人に対しては、毅然とした対応が必要になります。

実際の対策

日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)は、アスリートへの誹謗中傷に対する共同声明を示しております。
SNSにおける誹謗中傷は、アスリートの心身に深刻な影響を及ぼすことから、迅速かつ厳格に対応する必要があります。
SNS上の心ない誹謗中傷や批判は言葉の刃となり、彼らに深い傷を残します。
と述べています。

具体的な取り組みとして、以下の内容を示しております。
1.法務サポート 相談窓口の設置、アスリートへの誹謗中傷等への法的措置等の対応
2.広報・啓発 JOC、JPCが中心となり、加盟団体とともにSNSでの不適切な投稿等に対する注意喚起
3.教育・研修 各競技団体と連携した教育活動の実施
4.人材育成 セーフガーディングオフィサー等アスリートを守る人材の育成
5.監視機能 アスリートが安心、安全に競技に取り組む環境の整備
(各種SNSのモニタリング等の実施)

また、「オリンピック・パラリンピック誹謗中傷・相談『ホットライン』」を開設し、以下の支援メニューを用意しております。
① SNS運営事業者等に対する投稿の削除依頼
② SNS投稿等の投稿者に対する警告
③ ホットライン利用者がSNS投稿等に対して法的措置を講じる場合の各種支援
④ 各支援メニューのために必要なSNS投稿等に関する法的分析
⑤ その他、ホットラインが対応できる必要な支援

ミラノ・コルティナオリンピックでも、日本オリンピック委員会(JOC)は、選手を守るため、24時間体制で多くの誹謗中傷の投稿を確認し、各SNSの運営会社に対して削除請求をし、削除を実現させてきました。

刑事処分の可能性も

誹謗中傷をしたら、刑事で犯罪となる可能性があります。

名誉毀損罪侮辱罪が問題となります。

「(名誉毀損)
第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(侮辱)
第231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」

内容次第では、逮捕され、刑事処分を受けて前科が付くことになります。

賠償義務を負う可能性も

民事上では、不法行為が成立し、賠償義務を負う可能性があります。

「(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」

犯人の特定については、裁判所を通じた発信者情報開示命令申立て等の手段で実現されることになります。

誹謗中傷問題の当事者になったら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、誹謗中傷問題を扱っております。
誹謗中傷問題の当事者になってしまった方は、お気軽に当事務所の無料相談をご利用ください。
専門の弁護士が、懇切丁寧に対応いたします。
迅速な対応が必要となるかもしれませんので、お早めに動くことをお勧めいたします。

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