予測市場は違法?賭博罪・秘密漏えい・公務員の懲戒リスクを解説

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ポリマーケットなどの予測市場が話題となっています。
予測市場は自由な情報のやり取りが期待できる一方、賭博に該当する恐れがあります。また、秘密漏洩インサイダー取引などに発展する恐れもあります。
ここでは、予測市場について解説します。

予測市場とは

予測市場とは、参加者が将来の出来事の結果の確立に基づいて、取引をする市場です。予測対象となる出来事は、選挙結果や政策決定、天候、景気指標など様々なものが挙げられます。参加者は自ら予測対象を設定し資金を投入し、予測が的中すれば利益を得られます。
多数の参加者が自身の資金を投じて将来の出来事を予測することで、人々がある出来事についてどれだけ起きると考えているかを知る手掛かりになり、情報の自由なやり取りを活発化させることが期待されます。
予測市場としてはPolymarket(ポリマーケット)などが有名です。

日本で予測市場に参加した場合、賭博に該当する可能性があります。
賭博」とは、勝敗が偶然の事情に左右されるもので、その勝敗により財物や財産上の利益の得喪が行われることをいいます。
賭博は国民に怠惰浪費の弊風を生じさせ、勤労の美風を害するばかりでなく、暴行その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがあるとして、禁止されています(最高裁昭和25年11月22日大法廷判決)。
予測市場の賭けの対象は、基将来の出来事の結果の確立に基づいており、その勝敗が偶然の事情に左右されるものといえ、「賭博」にあたる可能性があります。

賭博(とばく)については、日本の刑法の「第二十三章 賭と博及び富くじに関する罪」にて、次のように定めています。
(賭博)
第百八十五条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第百八十六条 常習として賭博をした者は、三年以下の拘禁刑に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
(富くじ発売等)
第百八十七条 富くじを発売した者は、二年以下の拘禁刑又は百五十万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
3 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。

スマートフォンの解析などにより予測市場の利用履歴が解析され、その頻度が多ければより重い常習賭博となる可能性があります。
運営元によっては、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」(組織犯罪処罰法)違反となり、より重い刑罰(常習賭博:第3条第1項第5号、5年以下の拘禁刑。賭博開帳等図利:同項第6号、3月以上7年以下の拘禁刑)を科される可能性もあります。

秘密漏洩

賭博は当事者が左右できない事情を賭けるものです。
しかし、予測市場では、組織内の情報を知る者が、今後何が行われるかを知りつつ予測市場で賭けを行うことができることが問題となります。

アメリカでは、2026年1月に起きたベネズエラ大統領を逮捕した作戦の計画・実行に関わった兵士が、ベネズエラ大統領が失脚するかどうかと予測市場で賭けを行い利益を得たとして、訴追されています。

日本の公務員も、その秘密を漏らすことを禁じられており(国家公務員法100条1項、地方公務員法34条1項)、これに違反して秘密を洩らしたときは、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処されます(国家公務員法109条12号、地方公務員法60条2号)。
我が国の安全保障に関わるような特定秘密を、特定秘密を取扱う者が洩らしたときは、10年以下の拘禁刑に処され、情状によりさらに1000万円以下の罰金に処されます(特定秘密保護法第23条第1項)。

懲戒処分

賭博に該当する行為を公務員が行えば、刑罰を受けるだけでなく、所轄官庁による懲戒処分の対象になります。
国家公務員に関する「懲戒処分の指針」によれば、

3 公務外非行関係
賭博
ア 賭博をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 常習として賭博をした職員は、停職とする。

と定められています。

まとめ

このように、予測市場への参加は、賭博に当たる可能性があるだけでなく、様々な問題があります。
予測市場について心配な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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